ゆうじYuji
名店会ファイル
2025年8月号掲載 FILE No.326
ハンズ渋谷店前の路地に、今年6月で35年目を迎えた炭火焼肉の名店『ゆうじ』はある。各テーブルからもくもくと煙が上がる店内は昭和の佇まいそのもの。「フワ」「ヤン」「ミノサンド」「コブチャン」「ガツシン」「ハツモト」「コブクロ」「テッポー」など、難解なホルモン部位が書かれた札が下がる。
店主の樋口裕師さんは、亡き父が営んだかつての板前割烹のカウンターで、毎日ホルモンと肉を捌いている。父に連れられ仕入れの際にたびたび訪れた芝浦の屠場で可愛がられた縁が、今の上質な肉の仕入れを可能にしたという。
「肉そのもののうまみをどう引き出すか」。常連の方々との会話や表情を通して自らに問い続け、他店を研究することで、メニューを進化させてきた。常連客にはメニューに無い新たに考案した皿を提案し、評価をしてもらうこともある。
予約困難となり、ゆるぎない評価を得たのちも、改装したり支店を出したりと、いたずらに時代に迎合することなく、ひたすら肉と向き合う姿は、唯一無二の存在と言えよう。じっくり味わえば、丁寧に掃除され、部位ごとに数種の塩やタレを使い分ける繊細な調味と包丁の技に気が付くはず。一皿一皿に込められた真心と情熱を、焼く我々も真剣に味わいたい。
カウンター6席、テーブル席(2名×4卓、4名×4卓)。現金のみ
ゆうじ
ご主人 樋口裕師さん
おすすめメニュー
鉄板焼

鉄板焼スタイルを取り入れた新しい焼台を開発しました。脂の落ち方や火の入り方を工夫し、年齢を重ねた方にも焼肉を楽しんでいただけるように、食べ疲れしないよう、味付けは素材本来のうまみを引き出す〝つけだれ〟のみを使用しています。野菜と組み合わせて食べやすく、もたれにくくバランスのよい一皿です。
全国の焼肉店を巡る中で得た気づきと体験から、鉄板の厚み、油の扱い、そして焼き加減の自由さを込めた新しい焼肉を、ぜひご自身の舌で確かめてみてください。
2008年2月号掲載 FILE No.116
渋谷東急ハンズ前の路地に店を構え、今年開店18年になる焼肉店「ゆうじ」。常連客には、赤身が好きなのかそれとも内臓が好きなのか、塩かタレか、また食べたい分量など…客の好みに応じ、最初から最後まで抜け落ちなく肉の旨さを伝えるためのバランスを考えてメニューを組み立てるという、独自のスタイルで多くのファンを魅了し続けている。
「よく『おすすめは?』と聞かれるんですが、おすすめするものしか置いていないんですよ(笑)。脂の乗り具合など欲しい肉の状態はすべて業者に伝えてあって、その日それに見合ったものしか入れていませんから。
色々なお客様のパターンを見せて頂いて、こういう系統の方はこうすると喜んでもらえるかなというのを試行錯誤し、メニューを組み立てていく?毎日がお客様との勝負ですね。お客様の意見を聞いて、自分のイメージしているものと違う時、それは新しい発見で、次のアイデアのもとになる。ですから、うるさく言ってくださる方ほど有り難いんです(笑)」と、ご主人の樋口裕師さん。
メニューにはない珍しい部位は多々あるが、牛を一頭丸買いしてバラし、自身で食べてみた結果辿り着いた結論である、”焼肉屋で食べておいしいもの“を厳選し、プロの職人技で最高の状態に仕上げ供してくれる。
定番メニューは30種程。その他ちりとり鍋やてっちゃん鍋、すきやき(通年)、もつ鍋(冬季限定・要予約)も人気。1階カウンター8席、テーブル2卓(2名・4名)、2階テーブル席(10名まで:写真下)。ご主人より、「予約の際は『味の手帖読者』として、好みのものを伝えてください」。
ゆうじ
ご主人 樋口裕師さん
おすすめメニュー
もつ鍋

■材料
ホルモン(小腸:できるだけ薄いものを選ぶ)、キャベツ、ニラ、ゴボウ、ニンニク、昆布、大豆、鶏ガラ、牛筋、どんこ椎茸の戻し汁、飛魚出汁、味醂、酒、醤油、魚醤
■作り方
①昆布と大豆を水に入れ、精進出汁をとる。
②①でホルモンを下茹でし、取り出す。好みに応じてスープの余分な脂を取っておく。
③鶏ガラと牛筋でスープをとる。
④②と③とどんこ椎茸の戻し汁を、[3:1:0.5]の割合で合わせ、味醂と酒を加える。
⑤④を火にかけてアルコールをとばし、スープがなじんだら飛魚出汁を入れてひと煮立てし、漉す。
⑥⑤に醤油、魚醤を加える。
⑦鍋に⑥のスープをはって、おろしニンニクを入れ、ホルモン、キャベツ、ニラ、ささがきゴボウを入れて煮る。
※最後に好みで鷹の爪、ニンニクスライスを入れる。
※内容は掲載当時のものです。メニュー内容・価格等については、各店舗にお問い合わせください。
ハンズ渋谷店前の路地に、今年6月で35年目を迎えた炭火焼肉の名店『ゆうじ』はある。各テーブルからもくもくと煙が上がる店内は昭和の佇まいそのもの。「フワ」「ヤン」「ミノサンド」「コブチャン」「ガツシン」「ハツモト」「コブクロ」「テッポー」など、難解なホルモン部位が書かれた札が下がる。
店主の樋口裕師さんは、亡き父が営んだかつての板前割烹のカウンターで、毎日ホルモンと肉を捌いている。父に連れられ仕入れの際にたびたび訪れた芝浦の屠場で可愛がられた縁が、今の上質な肉の仕入れを可能にしたという。
「肉そのもののうまみをどう引き出すか」。常連の方々との会話や表情を通して自らに問い続け、他店を研究することで、メニューを進化させてきた。常連客にはメニューに無い新たに考案した皿を提案し、評価をしてもらうこともある。
予約困難となり、ゆるぎない評価を得たのちも、改装したり支店を出したりと、いたずらに時代に迎合することなく、ひたすら肉と向き合う姿は、唯一無二の存在と言えよう。じっくり味わえば、丁寧に掃除され、部位ごとに数種の塩やタレを使い分ける繊細な調味と包丁の技に気が付くはず。一皿一皿に込められた真心と情熱を、焼く我々も真剣に味わいたい。
カウンター6席、テーブル席(2名×4卓、4名×4卓)。現金のみ

ご主人 樋口裕師さん
おすすめメニュー
鉄板焼

鉄板焼スタイルを取り入れた新しい焼台を開発しました。脂の落ち方や火の入り方を工夫し、年齢を重ねた方にも焼肉を楽しんでいただけるように、食べ疲れしないよう、味付けは素材本来のうまみを引き出す〝つけだれ〟のみを使用しています。野菜と組み合わせて食べやすく、もたれにくくバランスのよい一皿です。
全国の焼肉店を巡る中で得た気づきと体験から、鉄板の厚み、油の扱い、そして焼き加減の自由さを込めた新しい焼肉を、ぜひご自身の舌で確かめてみてください。
2008年2月号掲載 FILE No.116
※内容は掲載当時のものです。メニュー内容・価格等については、各店舗にお問い合わせください。
渋谷東急ハンズ前の路地に店を構え、今年開店18年になる焼肉店「ゆうじ」。常連客には、赤身が好きなのかそれとも内臓が好きなのか、塩かタレか、また食べたい分量など…客の好みに応じ、最初から最後まで抜け落ちなく肉の旨さを伝えるためのバランスを考えてメニューを組み立てるという、独自のスタイルで多くのファンを魅了し続けている。
「よく『おすすめは?』と聞かれるんですが、おすすめするものしか置いていないんですよ(笑)。脂の乗り具合など欲しい肉の状態はすべて業者に伝えてあって、その日それに見合ったものしか入れていませんから。
色々なお客様のパターンを見せて頂いて、こういう系統の方はこうすると喜んでもらえるかなというのを試行錯誤し、メニューを組み立てていく?毎日がお客様との勝負ですね。お客様の意見を聞いて、自分のイメージしているものと違う時、それは新しい発見で、次のアイデアのもとになる。ですから、うるさく言ってくださる方ほど有り難いんです(笑)」と、ご主人の樋口裕師さん。
メニューにはない珍しい部位は多々あるが、牛を一頭丸買いしてバラし、自身で食べてみた結果辿り着いた結論である、”焼肉屋で食べておいしいもの“を厳選し、プロの職人技で最高の状態に仕上げ供してくれる。
定番メニューは30種程。その他ちりとり鍋やてっちゃん鍋、すきやき(通年)、もつ鍋(冬季限定・要予約)も人気。1階カウンター8席、テーブル2卓(2名・4名)、2階テーブル席(10名まで:写真下)。ご主人より、「予約の際は『味の手帖読者』として、好みのものを伝えてください」。

ご主人 樋口裕師さん
おすすめメニュー
もつ鍋

■材料
ホルモン(小腸:できるだけ薄いものを選ぶ)、キャベツ、ニラ、ゴボウ、ニンニク、昆布、大豆、鶏ガラ、牛筋、どんこ椎茸の戻し汁、飛魚出汁、味醂、酒、醤油、魚醤
■作り方
①昆布と大豆を水に入れ、精進出汁をとる。
②①でホルモンを下茹でし、取り出す。好みに応じてスープの余分な脂を取っておく。
③鶏ガラと牛筋でスープをとる。
④②と③とどんこ椎茸の戻し汁を、[3:1:0.5]の割合で合わせ、味醂と酒を加える。
⑤④を火にかけてアルコールをとばし、スープがなじんだら飛魚出汁を入れてひと煮立てし、漉す。
⑥⑤に醤油、魚醤を加える。
⑦鍋に⑥のスープをはって、おろしニンニクを入れ、ホルモン、キャベツ、ニラ、ささがきゴボウを入れて煮る。
※最後に好みで鷹の爪、ニンニクスライスを入れる。