草喰なかひがしSojiki Nakahigashi

お竃はんの御飯に炭火の肴と山野草を添えて


京都府京都市左京区銀閣寺畔浄土寺石橋町32-3
075-752-3500
12:00~14:00、18:00~21:00(要予約)

月曜日・隔週火曜日連休


オフィシャルサイト



名店会ファイル

2026年1月号掲載 FILE No.331

※内容は掲載当時のものです。メニュー内容・価格等については、各店舗にお問い合わせください。


 1997年の開店以来、草喰料理で内外の客を魅了してきた。
「『草』とは自然であり素であり人工的に作られたものでなく、『喰』は若鮎が激流を上り岩についた苔を喰む」そんな姿でありたいという主人・中東久雄さんの思いが込められている。中東さんは毎朝食材を探しに大原の深山に分け入って山菜や草花を摘む。椎茸や山椒などは、馴染みの農家の畑に出向きその姿を見て調達し、料理する。
 暖簾をくぐると、まず目に入るのは朱色のお竈くどさんにカウンターの12席。八寸から始まり白味噌、焼物、向付、煮物椀、箸休、鉢肴、強肴、そして〝メインディッシュ〟の白飯とお菜と鰯の丸干しを、中東さんのダジャレを交えたご馳走に与る。
 正月三が日を過ぎると野山へ出て、雪や枯草をかき分けて、土つくし筆、野の蒜びる、田た芹せりなど新春の苦みをお客様の人数分だけ摘む。八寸には、ごまめ、鹿児島から届く筍を皮のまま素焼きにしてホクホクに、赤蕪、白蕪、堀川ごぼうに頭かしらいも芋など。
 お造りに使う鯉は、滋賀県安曇川で3か月間流れの速い地下水の用水路で放流され泥臭さを抜いた香りのよい鯉。蒲たんぽぽ公英や、なず菜の花など季節の山野草をあしらう。強肴には北海道で出会った、完全自然放牧自然飼育された「ジビーフ」の赤身肉を、滋賀県草津の精肉店「サカエヤ」から仕入れている。
 昼のコース1万2100円~、夜2万4200円~(税・サ込)。要予約(※)。

 


草喰なかひがし
主人 中東久雄さん
メインディッシュ




山椒油

 お竈さんで炊いた白ご飯と鰯の丸干しに漬物と汁物で一汁一菜です。炊き立ての頃合いに一口「煮え花」を味わっていただきます。ふっくらご飯には、富山県氷見産の潤目鰯の丸干しです。釜底一面にできたパリパリのおこげにはイギリスの塩「マルドン」と山椒オイルで。湯漬けには梅肉と刻んだ香り菜を添えます。山野草が主役ですから、蛋白質の鯉や「ジビーフ」、鰯は脇役です。自然の恵みに感謝し根を絶やすことなく未来へと繋いでいくことが使命であると思っています。


2013年4月号掲載 FILE No.178

※内容は掲載当時のものです。メニュー内容・価格等については、各店舗にお問い合わせください。


 一九九七年四月の開店以来、主人・中東久雄さんが育った京都・花背の山野風景をそのまま盛り込んだ独創的な料理で評判の店。
 店の入り口には、「お竃はんの御飯に炭火の肴と山野草を添えて」とある。人工的ではなく、自然であり、素でありたいとの想いを「草」に込め、若鮎が激流を上り岩の苔を喰む姿を想いつつ「草喰」とした。
 自ら山野を巡り、草を摘み、里から滋味豊かな野菜をとってくることを日課としている。お百姓さんからは朝野菜を分けてもらい、これらの野菜を中心に献立が決まる。
 「私は何もしていません。炭が全部仕事してくれます」と中東さん。素材を前にして、まず、生で味わい、次に焼いてみる。素材の声を聞くように恵みをいつくしみ、調理する。
 コースは、八寸、白味噌椀、鯉の造り、焼きもの、煮もの、揚げもの、炊き合わせ(昼:六千三百円~、夜:一万二千六百円~)。  なかでも鯉の造りが名物で、泥臭さをきちんと取り除ければ、鯛や平目に負けないと、中東さんは造りにして出している。春には、岩魚の塩焼きを頭、骨、尾、胴体の別々に焼いて供する。他にわらびの海苔巻きもこの時季のものだ。
 最後のメインディッシュは、人数にあわせて炊き上げる御飯。添えられるのは山口県萩産のめざし、香のものなど。素朴で滋味深い味わいだ。
 「近年、”野菜力“の話題が多くなり、嬉しいですね。これからは農と食を通じて食育に邁進したい」とご主人。
 店は、銀閣寺へ向かう今出川通りから白川を越え、桜が咲き誇る並木道へ入ってすぐ。

 


草喰なかひがし
主人 中東久雄さん
おすすめ品




山椒油

 店ではコースの最後に、中川一志郎氏作の陶器製羽釜で炊かれた御飯のにえばなが一口出される。まだ蒸らす前の柔らかいところだ。次に蒸された御飯。最後に「おこげ」と続く。この「おこげ」に自然塩と共に添えられるのが、この山椒油。
 癖のない米油に生の実山椒を入れて、九十度で一時間加熱し、布で漉したもの。春先に出回る青い山椒実を使用している。
 シンプルながら野の香りを存分に味わえる。香りの油として、他にもサラダや茹で野菜などにも。
【材料】
・米油…一リットル
・青山椒…五百グラム 
【価格】千五百円(百三十cc)
※来店時に購入も可能

掲載記事


お知らせ・イベント アーカイブ