玄冶店 濱田家Genjidana Hamadaya

歌舞伎玄冶店の舞台の地に創業百余年の老舗


東京都中央区日本橋人形町3-13-5
03-3661-5940
11:00~15:00、17:30~23:00
昼は水・木・土のみ
日曜日・祝日


オフィシャルサイト



名店会ファイル

2010年9月号掲載 FILE No.147

※内容は掲載当時のものです。メニュー内容・価格等については、各店舗にお問い合わせください。


 大正元年創業の料亭。江戸の名医岡本玄冶の住まいがあったことから、この辺りを玄冶店といった。手入れの行き届いた座敷からは、都心とは思えない木立の庭が眺められる。都内の料亭で木造の建物が残存している二軒のうちの貴重な一軒だ。
 三代目のご主人、三田芳裕さんによると、「戦前までは東京ではいわゆる関東料理が一般的でしたが、先々代が昭和の初めに大阪から東京に進出してきた店に行って、素材を活かした調理で美しい京焼の器に盛られた関西料理を見て、これからの主流になるといち早く取り入れました」
 接待や商談などにあわせた料理が主だったが、いまは個人の集いにふさわしい料理も。料亭の料理は目的にあわせ、料理だけが前面に出ることはない。料理や器はもちろん、設いを含めた日本の総合芸術の粋が味わえる場だ。プロポーズの席にと外国から来店されることもあるという。
 料理は、時季の素材を取り入れ、二週間ごとに替わる。「舞台づくりは、読み合わせから立ち稽古などを経て本番へ。さらに千秋楽を迎えるまで観客の反応を見ながら少しずつ手直しをしますが、料理も一緒です」と、明治座の社長でもある三田さん。召し上がる方の反応を受けて日々工夫を重ねる。「盛夏が過ぎ、九月には、鮎が子を持ち始め、松茸も出始めます。夏の名残と秋の走り。夏と秋が融合した献立になります」
 昼は、一万五千七百五十円~。夜は、二万六千二百五十円~で、室料としてひとり三千百五十円。宴席に芳町の芸妓を呼んで、その花代を含めれば、ひとり六万円ほど。

 


玄冶店 濱田家
三代目主人 三田芳裕さん
系列店のご紹介




玄冶店 濱田家 東京ミッドタウン店

 モダンな街に日本文化としての料亭の空間が感じられるよう細部に工夫がこらされている。本店とは異なりテーブルと椅子席が中心。女性デザイナーによる江戸の粋をテーマとした内装で、照明には江戸切子、北斎の浮世絵から波をモチーフに入口の壁をデザイン。献立は月替わりで、その度に本店から料理に合わせた器が運びこまれる。昼は六千八百二十五円~、夜は一万五千七百五十円~。
東京都港区赤坂九の七の二 東京ミッドタウンイーストB‐0107
 03(5413)0204
営業時間=11時半~14時、17時半~20時(ともに最終入店時間)
※日・祝は昼のみ
年中無休
http://hamadaya-midtown.com/

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