青森のソウルフード

かやき

かやき

 青森県に行って食べたい郷土料理の一つが、「かやき」だ。帆立貝の貝殻を鍋にして、魚類を主体とした様々な具材を載せ、出汁や味噌で味をつけて煮る料理である。「貝焼き」が訛った言葉で、漁師が海岸で貝殻に具を載せて煮焼きした料理から発達したという。小さな鍋の中に味の変化があって、楽しみが続いていく。

 下北半島むつ市の『武田屋』で、5種類のかやきをいただいた。時間をかけて煮干しと昆布と鰹で出汁をとり、味噌は3種類を使い分け、出汁の量も塩分も具材に合わせて調整する。

 珍しいのは「タコのぶらぶら」。30分ほど茹でたタコの皮や小さく切った身の部分だけを使っている。うっすらとした味噌の風味に、タコのくにゅくにゅとした食感と甘みが滲み出て膨らみ、顔が崩れる。

 帆立の刺身を入れた「帆立の卵とじかやき」は、少しだけ煮えたところで食べてみると帆立のヌルッ、シコッとした食感と、ミルキーな味わいが広がる。火が通る途中で投入する溶き卵との相性もたまらない。

「鰊の切り込みかやき」は、生の鰊を切り、米麹と塩で漬け込み発酵させた伝統料理「鰊の切り込み」を大根おろしの上に載せてある。次第に大根おろしに切り込みの味が染みていき、酒を呼ぶ。最後のほうは濃密な味になるが、くどくなくマイルドなままなのは、発酵の力なのであろう。

「焼きガレイのかやき」は、堂々たる分厚さを誇る焼きガレイの焼けた面が香ばしく、旨みが凝縮している。これをご飯にぶっかけて食べたら、幸せだろうなぁ。

「イカの塩辛かやき」は、塩辛自体の味が綺麗で雑味なく、発酵しかかった浅さがまたよい。火が通り、載せてある大根おろしが塩辛色に染まってくると、なんともエレガントな味わいになる。匂いだけでも酒が飲める逸品である。

 虜にさせるその味わいは、青森県に暮らした先人たちの知恵の結集なのであった。

●武田屋
青森県むつ市柳町1-1-7
電話=0175(23)7811
営業時間=17時半~23時(22時半L.O.)
定休日=日曜日(月曜日が祝日の場合は連休)

すずのや/やきそば 鈴木

やきそば

 『すずのや』は、30数軒ある黒石市の名物「つゆやきそば」の人気店。

「黒石つゆやきそば」550円は、炒めたソース焼きそばを丼に入れ、鰹節だし醤油味のスープを注ぎ、揚げ玉とネギを載せたやきそば。スープに浸かっているが、堂々たる焼きそばの味である。温かい汁に浸かっているため麺はやわらかいが、伸びないように粘りの強い粉をブレンドして製麺している。一方、具で重要なのは天かすで、「天かすの食感と油分が入らないと、わさびのない寿司のように腑抜けになります」と、店主は言う。

ソースやきそばのようでありながら、かけそばのようでもあり、そのなんとも言えない曖昧さに親しみがわく。つまりソースと醤油の持つ旨さ、両方のスイッチを押されるわけで、そこがクセになるのだ。

その他、普通のやきそばが丼で出され、途中で熱々のスープを注いで変身させる「化け焼きそば」650円もおすすめ。

 もう1軒は、青森市にある昭和36年創業の『やきそば 鈴木』。3代目店主は気品があるお母さんである。

 ここの「ソースやきそば」(中盛300円・大盛350円・特盛400円)の味は丸い。麺は、市内にある十数軒のやきそば店に麺を卸している『原田製麺』の太麺を使用。そのやや四角く太いシコッとした歯ごたえのある麺にソースが絡むのだが、穏やかな甘さがあって、妙な懐かしさが脳をよぎる。2種類のソースを調合しているという、甘く旨いソースの味わいが太麺とよく合う。スルスルと胃袋に収まってしまう、優しさがあるやきそばである。

●すずのや  
青森県黒石市前町1-3
電話=0172(53)6784
営業時間=11時~15時 
定休日=火曜日
●やきそば 鈴木  
青森県青森市青柳2-8-9 
電話=017(777)8166
営業時間=10時半~18時
定休日=日曜日・月曜日

特集リスト

青森の美味しい和食

千陽 本丸

旬の地産食材を活かした
海鮮料理と郷土料理

 八戸の豊かな恵みを享受した料理が、コースで次々と出される割烹。昨年7月のコースから料理をいくつかご紹介。

「ボタンエビとアンコウの素揚げ、アンコウの肝と味噌のネギ和え添え」。柔らかな甘みが滲むボタンエビと、弾力のある凛々しい身から品のある甘みが滲み出すアンコウの対比がいい。

「真イカの生塩辛」。生イカの肝和えである。イカを噛めば、新鮮さを表すようにパキパキと弾ける。細切りの胴体、みじん切りのゲソ、細ネギ、3者の食感が楽しく、猛烈に酒が恋しくなる逸品。

「フジツボ玉子とじ」。フジツボを噛めば、シコッ、シャクッと歯の間で弾んで、甘いエキスが流れ出る。そのエキスが素晴らしい。上品な甘みと旨みが舌に訴えかけてきて、ううむと唸らせるのである。

「お造り盛り合わせ」。ムラサキウニやバフンウニ、ホタテ、大間のマグロと、いずれも素晴らしいが、主役は珍しいコウジンメヌケの刺身だろう。金目鯛に似た赤い魚だが、シコシコとした身の締まりがあり、他の深海魚とは違って甘みに品がある。

「アサリとコウジンメヌケの出汁とアワビ、青柚子、ミズ」。アサリとコウジンメヌケから抽出した、丸い旨みを湛えた出汁の中でアワビがより一層色気を増す。

「平ガニご飯」。酒が飲みたくなるご飯である。平ガニ(甲羅の白い文様の形からHガニとも呼ばれる)のカニ味噌がぐっと詰まっていて、米一粒一粒にしみている。味噌の香りが高く、味が丸いカニである。

 その他、「倉石牛のステーキ」や「ホヤそうめん」など、いずれも逸品揃いである。

●千陽 本丸
青森県八戸市堤町8
電話=0178(46)5525
営業時間=18時半~22時
不定休・完全予約制

土紋

和食から洋食まで豊富に揃う
弘前で必ず抑えたい居酒屋

 弘前で飲むならまずこの店を抑えろと言われる居酒屋。地元の食材を使った肴から洋食料理まで幅広く揃い、弘前の銘酒「」とともに楽しめる。その豊富な肴の中からベスト10を紹介しよう。

「オムライス」。酒飲みのツボを心得た、チキンライスの淡い味付けが心憎い。酒のつまみにもなるオムライスである。

「肉汁」。「豚汁」とも呼ばれる郷土料理。「汁」と名についているが、汁気は少なめ。

「ホッケの飯寿司」。 塩気を利かせた寿司で、大至急酒が欲しくなる。

「たらたま」。干し鱈、玉子、油を合わせて混ぜた郷土料理。干し鱈の塩気と黄身の甘みが妙に合い、笑みを呼ぶ。

「ポテトフライのイカ肝和え」。イカ肝をフライドポテトに載せて食べるという、その迫力にやられて虜になる。

「身欠きニシン」。生食用の身欠きニシンを味噌に浸けて食べる。身欠きニシンのイメージを覆す、しっとりとした食感。

「ニシンの切り込み」。魚醤作りをニシンで応用した郷土料理。ニシンと塩と米麹で発酵させたもので、熟れた酸味が酒を呼ぶ。ご飯に載せても美味かろうね。

「茄子の紫蘇巻き」。茄子の味噌炒めで、紫蘇の香りとの兼ね合いがいい。

「いがめんち」。イカと玉ねぎを包丁で1時間叩いて合わせて焼いたもの。玉ねぎの甘みとイカの旨みが渾然一体となって、なんともうまい。

「筋子のおにぎり」。驚愕である。おにぎり界の横綱ではないか。新鮮ゆえに筋子がご飯にくっついていない。ハラハラと崩れるご飯とともに、ボロボロと筋子がほぐれ、米の一粒ずつの優しい甘みと、筋子の卵の一粒ずつのねっとりとした濃厚な甘みが抱き合う。これを日常で食べることのできる、弘前の人がうらやましい。

●土紋  
青森県弘前市大字代官町99
電話=0172(36)3059
営業時間=17時半~22時(L.O.)
定休日=日曜日・祝日

新潟の美食どころ(2)

里山十帖

山奥の古民家を改築した旅館で
当地ならではの十の物語を感じる

 山奥の古民家を改築し、2014年5月に開業した旅館。泊まる人たちに、「食、住、衣、農、環境、芸術、遊、癒、健康、集う」という十の物語を感じてもらうことを目的にして作られたという。食材が豊富な季節でも、乏しく保存食しかない時も、地元の食材だけを使って作られる、ここだけの四季折々の料理がいただける。

 1月の料理をご紹介。まず注がれるのが、「山の薬膳出汁」。山菜の根っこや木の実、ハーブの根、乾燥野菜の皮の出汁と鴨の出汁を煮出したもの。体の細胞隅々にまで染み渡っていく多幸感がある。

 そして、大納言と朴葉を使った「栃餅」、「白子焼き」の次は、「鰤と人参」。鰤のお造り、甘夏、オレンジ、食用菊。合わせて食べると、鰤が違う表情になる。

「雪景色」。八海山の酒粕汁、牛蒡、人参、大根、黍餅、クワイ。黍餅が素朴でおいしい。八海山の大吟醸の燗酒が合うこと!

「大根 保存と発酵」。黒大根、緑大根、紅しぐれ大根、発酵食品ソース、発酵の汁を少し入れたもの。様々な酸味が舌を洗って、清々しくなる。

「海と大地」。イシモチ、白菜、神楽南蛮。味噌漬けにしたイシモチを噛み締めると出る深い旨みと、白菜の自然な甘みが溶け合う美しさ。神楽南蛮の辛味が効いている。

「越後上越・短角牛」。牛蒡、人参、大根、里芋。添えた牛肉のジュと野菜の汁がいい。

「ご馳走ごはん」。魚沼の米仙人・鈴木清さんが作るコシヒカリの炊き立てである。このご飯に自然薯をかけ、自家製沢庵と食べれば、この上ない幸せに満たされる。  

 翌日の朝食も充実。ここに来ると、現代人にとって本当の贅沢とは何かを問われる。

●里山十帖  
新潟県南魚沼市大沢1209-6
電話=025(783)6777

欅苑

風情のある民家料理店で
季節ごとの楽しみに出合う

 苑内に樹齢約1500年の欅の大木がある民家料理店。堂々たる茅葺屋根の家屋は、明治3年に建てられたもの。料理には自家菜園で栽培した旬の食材をはじめ、南魚沼で採れた食材を使用。春は山菜、夏は天然の鮎、秋は山のキノコ、冬は根菜など、季節ごとの楽しみに出合える。宿泊も可能。

 一の膳、二の膳、留椀にご飯という流れで出される、1月の献立をご紹介。

◎一の膳

「人参、椎茸、胡桃・豆腐の煮こごり」。煮こごりの中に様々な野菜の滋味が潜む。「鮭のかぶらはさみ」は、かぶらの甘みと鮭の旨みが素直に馴染んでいる。

「帆立入り玉子豆腐の帆立あんかけ」は、豆の香りが立つ豆腐がおいしい。「お椀」 は、玉子豆腐、しんじょ、三つ葉、白舞茸。澄んだつゆの中でキノコが香る。

◎二の膳

「蓮根磯辺揚げ、すりおろした蓮根、銀杏、獅子唐」。もちっとした蓮根の揚げ物。

「自然薯海苔巻き」。山芋の粘りが先に来て、噛むうちに海苔の粘りと抱き合う。

 ほうれん草が甘く、椎茸の香りが高い「焼き椎茸とほうれん草のおひたし」。それぞれの素材をじっくりと噛み締めたくなる味わいの「蓮根、大根、人参、椎茸、胡麻、柚子の炒めなます」。

「春菊と菊と胡桃の白和え」は、胡桃の香りがアクセントとなって、春菊の青々しさを引き立てている。「胡麻豆腐」は、実に滑らかで、胡麻の香りが高く、「魚岩(いわな)塩焼き」は、素朴なおいしさ。

 揚げ物は「八色(やいろ)しいたけのエビ詰め天ぷら、蕗の薹」。蒸し物の「かぶら蒸し」は、百合根、銀杏、海老が入った濃いめの味。

 留椀は「のっぺい汁」。貝柱の淡い出汁に、野菜類の養分が溶け込んだ、温かく朴訥な品のある汁である。最後は「むかごご飯」「沢庵と野沢菜古漬け」「水菓子」。

●欅苑  
新潟県南魚沼市長森24
電話=025(775)2419
営業時間=11時半~15時(入店は13時まで)、17時~21時半(入店は19時半まで)
定休日=不定休

新潟の美食どころ(1)

Restaurant UOZEN

自ら調達した自然の恵みを活かす
地に根ざしたモダンフレンチ

 シェフの井上和洋さんが、東京の店を閉めて三条市に移り、妻の真理子さんの両親が営んでいた日本料理店『魚善』をリノベーションし、2013年にフレンチレストラン『UOZEN』を開店。自ら野菜を育て、海で魚を釣り、山で山菜を採り、狩猟免許を取得して野禽を仕留め、地に根ざした料理を創り出す。1月のジビエコース(冬季限定)1万5000円は以下の通り。

「猪の頭を使ったリエット、ゴールデンオニオンと自家製生ハムのマカロン、鴨腿肉と白インゲン豆のカスレのコロッケ」でスタート。次はスペシャリテ「ボタンエビのブイヤベース仕立て」。生のボタンエビに、ジュレ状にしたブイヤベースをかぶせ、アイオリソースを添えて。ボタンエビ特有の甘みと食感、粘質性の身質が、ブイヤベースの旨味と共鳴し、ワインが恋しくなる。

「本州鹿の昆布締めタルタル」。しなやかで、雑味なく、鉄分の美しさがある。

「せいこ蟹、バターナッツ南瓜、蟹のサバイヨンソースとイクラ」。ソースの旨味の後から身や子の味わいが顔を出す。

「天然鴨炭火焼、魚沼産そば粉のガレット、ネギの根っこ」。綺麗な味わいの鴨肉。

「ヤマドリの白湯スープ、つくね、自然薯」の次は、「鮑のシヴェ、赤ワインと蜂蜜でマリネした熊の手と干した香茸の戻し汁」。鮑の肝が優美。熊の手のコラーゲンが溶け、香茸はシャキッと凛々しい歯応え。

「ヤマドリ(胸と腿)の薪火焼、ヤマドリのソース、マタタビとミズのピクルス」。淡さと濃さ、一つの肉の中に二律背反が潜んでいて、人間の舌を翻弄する。

「熊のロティ、銀杏と熊の内臓、団四郎味噌」。厚切り肉の弾むような食感に唸る。

 デザートも秀逸。どの料理も妙なる香りと食感の出合いに震え、心に深く刻まれる。

●Restaurant UOZEN  
新潟県三条市東大崎1-10-69-8
電話=0256(38)4179
営業時間=11時半~15時(13時LO)、17時半~22時(最終入店20時・日祝は22時閉店)
定休日=月曜日・他不定休

鮨 登喜和

新潟の米の柔らかな甘みと
旨味を引き出した魚が出合う

「今日は全部新潟の魚です」と、店主の小林宏輔氏。ゆえに、マグロも穴子も煮蛤もない。地方の鮨はこうでなくちゃ。新潟の米と、寝かせたり、塩をしたり、風干ししたりと、様々な方法で旨味を引き出した魚が出合い、なんとも嬉しい幸せを呼ぶ。

 1月の夜のおまかせ(料理と握り全20種)1万円は、以下の通り。

「蕪のすり流しとズワイガニ」。続いて、「3日寝かせた本アラの握り」。じっとりと脂が乗っている。うまい。

「佐渡島アオリイカ握り」。薄切りにされて、ねっとりと甘い。胡麻のアクセントが効いている。「5日寝かせた黒ムツ握り」は、身が締まり、黒ムツ特有の身のダレがない。

 塩をして軽く脱水した「南蛮エビの握り」は、エビ味噌のペーストがかませてある。

「聖籠産の白子」は、実に綺麗な澄んだ味わい。とろとろになるまでつぶして食べ、後から酢飯を入れてよくよく混ぜる。

「マハタ」。微かに甘く、旨味が濃い。

「太刀魚握り」。本日の一番。風干しし、軽く炙った太刀魚は、しなやかな筋肉があって、噛むと一瞬抵抗を見せながら、もっちりと崩れ、酢飯と合体する。品のいい脂の甘みが流れ、その後から皮下の逞しい甘みがやって来て喉へと消えていった。

 柔らかな青い香りの「銀葉草(ぎんばそう)」に続く「潰したイクラ」は、深い味わい。

「イシモチ」はきめが細かく、しっとりとして腹身がうまい。蒸して、熱々酢飯と合わせた「メガニ」。続いて「サバの海苔巻き」と「胡桃の飴煮入り酢飯海苔巻き」。郷土特有の胡桃の存在が心憎い一品。

「栗と胡桃の飴煮入りいなり寿司」「干瓢巻き」と続き、締めは女将さんの「玉子焼き」。

●鮨 登喜和  
新潟県新発田市中央町3-7-8
電話=0254(22)3358
営業時間=12時~13時半、18時~22時
定休日=月曜日

東京を冠した話題の店

KIKKOMAN LIVE KITCHEN TOKYO

料理ライブと食事を一緒に楽しむ
トップシェフたちの競演

 国内外で活躍する異なるジャンルの料理人がタッグを組み、〝食文化の新たな融合〟をテーマに開発した月替わりのコース料理を、実演やトークを交えた〝料理ライブ〟と一緒に楽しめる新感覚レストラン。

 昨年12月は、『クイーン・アリス』の石鍋裕シェフと『KIHACHI』創業者の熊谷喜八シェフのコラボ。

 まずアミューズは、石鍋シェフによる「ジビエのコンソメ キノコのカプチーノ仕立て」。キノコの鼻孔を揺らす香りと、澄んだ綺麗なコンソメに力が湧く。

 そして、熊谷シェフの「キャビアサンド」。炒り卵の甘みと、キャビアの濃厚な甘みと塩気が共鳴する。

 続いて石鍋シェフの「パパイヤとターキーのカクテル」。ターキーの胸肉の火入れがしっとりとしてエレガント。

 冷前菜は、熊谷シェフの「炙りマグロのサラダ KIHACHI風」。梅干しと昆布だしのソース添え。紫蘇の実しょうゆ漬け、いぶりがっこ、山牛蒡の味噌漬けなど、多様な香りや歯ごたえが楽しい。

 温前菜は、石鍋シェフの「旬のズワイガニのフラン」。カニのソース、生クリームと牛乳に合わせた、甲殻類の旨さが際立つ。

 魚料理は熊谷シェフの「オマール海老と鮑のパイ包み焼き」。生きている海老を鍋に投入して半生で取り出す。ゆかりや大葉、トマト入りバターなど要素は多数だが、パイ生地との相性で味が丸く収まっている。

 肉料理は、石鍋シェフの「牛ヒレ肉の〝オリンピア風〟」。塩麹と甘酒でマリネした肉を調理したもので、振りかけられたキッコーマンのサクサクしょうゆとよく合う。

 最後の食事は、なんと「〝福〟カツカレー」。フォンの確かさが光るカレーとフグのカツが見事に品良く組み合わさっている。
価格は毎月変動。1万5000円~。

●キッコーマンライブキッチントーキョー  
東京都千代田区有楽町2-2-3 ヒューリックスクエア東京B1
電話=050(3134)5158
営業時間=[レストラン(予約制)]18時~(ライブ時間18時半~20時半)[スーベニアショップ・カフェ&バー]12時~21時
不定休

SPICE LAB TOKYO

温冷のスパイスを多用した
健やかなモダンインド料理

 銀座にできた新しいインド料理店である。しかしメニューにはカレーもタンドリーチキンもない。日本の食材を、インドの伝統的なスパイスを多用して生かした料理を出す。使うスパイスは、生ターメリック、フェンネル、クミン、グリーンカルダモンから、メース、サフラン、希少なローズペダルやベティビエルの根のカース、さらには味噌やわさびなど、多種多様。アーユルヴェーダに則って、温と冷のスパイスや食材を組み合わせてバランスを取り、味の均整美を作り出す。その基本精神を熟知しているからこそ、日本のわさびや味噌を使っても、味を丸く収められるのだろう。

 カリカリに加熱したレンズ豆には、炭とココナッツ、トマトとクミン、アボカドとコリアンダーという3色のチャツネが添えられる。レンズ豆の優しい甘みと、3種のチャツネが呼びかけ応え、優美に抱き合う。

 トマト水で作ったラッサムにズワイガニを浮かべ、帆立とコリアンダーを加えたスープは、どこまでもエレガント。

 コースは、 ランチは3種3,300円~、ディナーは2種8,800円~で、1皿目:寺院(成功や幸運を祈願して天上に捧げる食事)、2皿目:街路(インド各地のストリートフード・屋台料理の再構築)、3皿目:海岸(7,500㎞の海岸線を持つインドの海の幸を表現)など、テーマに沿って料理が出される。インドの『AMAN』やコペンハーゲンの『noma』などでも修業経験のあるテジャス・ソヴァニ総料理長による、知的好奇心を刺激する料理をぜひ。

●スパイスラボ トーキョー 
東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS10階
電話=03(6274)6821
営業時間=11時半~14時半(L.O.)、18時~21時(L.O.)
年中無休

今、最も金沢で輝く店

respiracion(レスピラシオン)

若き3人のシェフによる
モダンスパニッシュ

 築140年の町家を改築したスペイン料理店。梅達郎氏、八木恵介氏、北川悠介氏、地元出身の若き3人のシェフが、豊かな金沢の食材の新たな魅力をふりまく。

 ある日は、スペシャリテ「インパクト 甘海老」から始まった。甘海老の殻や尻尾のビスキュイの上に身が置かれ、頭の味噌で作ったシートが被せてある。続く「パノラマ」と題した皿では、海と里の風景を表現。蕪の出汁をガストロバックで浸透させた蕪と、揚げ里芋に柚子のベシャメルソース。コロッケ状にして青海苔をまぶしたメバルと、加賀れんこんのブニュエロ。能登牡蠣とナマコのスペイン風ピッツァのコカ。

「能登牛 脂 旨味」は、加熱した牛薄切りでウニを巻いたものに、アゴ出汁と煎茶を合わせ、旨味の増幅を狙った皿。

 魚料理は「温度焦点 鰆」。みずみずしさが残るように精妙に火入れした鰆と、金沢一本太ねぎを使ったカルソッツ(焼きねぎ)の力強くも優しい甘みが出合う。

 肉料理は、「生命をいただく」と題した皿。能登牛ランプと鹿肉、黒文字に刺した猪の心臓が盛り合わせてある。いずれも火入れが素晴らしく、添えた肉厚の椎茸「のと115」の香り高く旨味の強いこと。

「加賀百万石大名行列」は、香箱蟹のパエリャ。香箱蟹の内子、外子、味噌、身のすべてと、野菜の甘み、動物的な滋味も渾然一体となって米に染み込んでいる。

 デザートは、紋平柿(もんぺいがき)で作ったエスプーマとムースとアイス、オレンジのチュイール添え。さらに、「未来へ」と題し、五郎島金時、俵屋のじろ飴、ヤギのチーズと蜂蜜、アーモンドケーキなどの甘みが登場する。

 昼夜ともに、コースは8000円~1万7000円(税・サ別)。

●respiracion 
石川県金沢市博労町67
電話=076(225)8681
営業時間=12時~15時(昼は一斉スタート)、18時~20時(L.I)
不定休

日本料理 片折

地の優れた食材の味を
卓越した技で活かした日本料理

 割烹が数多くある金沢で、片折卓矢氏の金沢食材への情熱と卓越した技により、今や一番の人気となっている。優れた食材を探しに、遠方まで生産者の元へ足を運ぶ。

 昨年11月の蟹を盛り込んだコースをご紹介。最初は「すっぽんのお粥」。清く、深い味わいに食欲の窓が開く。

「香箱蟹」の甘みに酔い、続いて目の前で鰹節を引き、とった出汁を切子のグラスで飲む。その豊かさと清らかさに唸る。

「アンコウと蕪のお椀」。凛々しい筋肉質の食感と優しい甘みを滲ませるアンコウに、すうっと均一に加熱された蕪が共鳴し合う。最初は淡いが、次第にアンコウの香りが溶け出して、味わいが深くなっていく。

 お造りは「ヒラメ」で、噛むほどに甘みが滲み出る。低温で酒蒸しした「あん肝」は、口に入れた途端溶けるように消える。続いての「迷いカツオの炙り」は、身が滑らかで、じっとりと脂が乗っている。

 肉感的な「鴨ロースの炭火焼き」が出され、いよいよ「焼きズワイガニ」の登場。蟹の体液が沸騰しないように細心の注意を払って焼かれた蟹は、優美この上ない。清らかで、みずみずしく、透明感のある甘みが、ポタリポタリと舌に落ちていく。

 その感動の息を抜くかのように、「ふろふき大根」が出され、再び「茹でガニの蟹ミソかけ」と来て、最後は「里芋煮物」と、実にシブい。野菜料理も秀逸で、焚き物という料理の重要さをわきまえた仕事が光り、しみじみとしたおいしさを感じさせながら、季節への感謝を募らせる。

 締めは、半熟茹で卵、昆布の佃煮、白ご飯、蟹ご飯、バッテラと続き、できたての「葛焼き」となる。この甘味も、去り際がいい。

 カウンター6席のみ。コース2万円~。

●日本料理 片折 
石川県金沢市並木町3-36
電話=076(255)1446
営業時間=12時~14時半(昼は水曜・日曜のみ営業)、17時~19時半・20時~22時半(夜は2部制)
不定休

フランス料理の新店

noura

フランス料理好きの心をくすぐる
丁寧に作られた美しい味

 浅草の名店『オマージュ』の荒井昇シェフが、同店の裏に新しく開いた店。子ども連れの家族からカップル、70代くらいの女性まで、様々な方がそれぞれに食事を楽しんでいて、その幸せな光景に心が和む。

 昼2000円、夜3800円・5800円(税・サ別)のプリフィックスメニューで、アラカルトも各種揃う。料理はいずれも丁寧に作られた美しい味である上に、付け合わせにも軽いひねりが加えられていて、フランス料理好きの心をくすぐる。

 突き出しは、ふっくらと膨らんだパンケーキ。メープルシロップとパンケーキのおなじみの喜びに、トリュフが香り、熱々を噛めばふんわりと歯が包まれて、もうそれだけで幸せがやってくる。

「北海道産生ウニのシャンパンゼリー寄せ 牡蠣のムース添え」は、牡蠣のムースもさることながら、冷たさの中に牡蠣の滋養を詰め込んだ牡蠣のソルベが素晴らしい。牡蠣を開けた時に出るジュースを凍らせて、パコジェットにかけたものだという。

「ダニエルキャスタンのフォアグラ」は、フォアグラの上質な脂の香りを、「テット・ド・ポーのクロメスキ」は、カリリと揚げた衣の中から、コラーゲンの甘みに溢れた豚肉の詰め物が現れ、その食感の対比を楽しむ。「石田めん羊牧場の仔羊と手亡豆(てぼうまめ)のトマト煮込み」は、ほろりと崩れる仔羊の滋味と豆の甘みが、しみじみとうまい。

 元々賄いで作っていたものをメニューに載せたという「魯肉飯」もいい。

 香菜の香りがパイナップルの甘みに寄り沿い、熱帯地の幻影を漂わすエキゾチックな魅力の「ゴールデンパイナップルのコンポート パイナップルとコリアンダーのシャーベット」など、デザートも秀逸。

●noura 
東京都台東区浅草4-10-6
電話=03(6458)1255
営業時間=11時半~14時(L.O.)、18時~21時(L.O.)
※休業日前日は20時(L.O.)
定休日=月曜日・火曜日

Kotaro Hasegawa〈DOWNTOWN CUISINE〉

和の器と箸で食べる
故郷への愛に満ちた料理

 昭和の匂いが漂う新御徒町の佐竹商店街に佇む店。『ラ・フェット ひらまつ』料理長を務めた長谷川幸太郎さんが、「若者よ故郷へ帰れ」という、フェルナン・ポワン氏の言葉に打たれ、今春、生まれ育った街に店を開いた。和の器に盛った料理を箸で食べるスタイルは、地元の人々にも気兼ねなくフランス料理を楽しんでほしいと願う長谷川さんの優しさが現れている。

 コースは5000円、8000円、1万円(税別)。1万円の料理は8皿構成で、夏の終わりのある日は、九谷焼の皿に盛り付けられたマスのマリネのアミューズから。マスの旨味にシャインマスカットの酸味や2種類のオクラの食感が重なり合って、食欲が刺激される一皿。

 2皿目は、蓋付き小鉢に入れられた、ウニ、 ブールブラン、枝豆、ホタテのひもでとったフォンによる茶碗蒸し。やさしい旨味が広がって、気分が穏やかになる。

 続いて、塗りの木板に盛られた鮎の料理。鮎のムースを抱いた鮎を、カダイフをまぶして揚げてある。きゅうり花山椒添え。名残を迎える鮎の繊細な香りを伝える。

 次は、棒を持って齧る〝フレンチドッグ〟。フォアグラとシャンピニオンデュクセル、鶏のムースを合わせたものを衣をつけて揚げ、マデラソースが添えられている。

 朱塗り椀に入れられた、茄子と和歌山産ホウボウのヴァン・ジョーヌソース。キレのいいソースの酸味が魚の甘みを生かす。

 錦手の皿に盛ったニュージーランド仔羊のプレ・サレ。ハーブを乾燥させてパウダーにしたパン粉を塗って焼かれている。

 最後は、ブラン・マンジェ、桃のコンポート、富良野のメロンコンポート煮汁のグラニテのデザート。

●Kotaro Hasegawa 〈DOWNTOWN CUISINE〉 
東京都台東区台東4-2-11
電話=03(5826)8663
営業時間=18時~20時半(L.O.)
定休日=日曜日・祝日・不定休有り

注目の寿司の新店

鮨 在

独創性溢れる鮨を引き立てる
ソムリエによる酒のペアリング

 今年5月開店。寿司職人は六本木『鮨 由う』出身の岡田貴裕さん、ソムリエは神宮前『An Di』出身の保坂卓さん。若い2人ながら、気働きができ、心地よい。

 7月のある日のおまかせは、温かい「帆立の茶碗蒸し」から。続いて、唐津の赤ウニを乗せた毛蟹の握り。下に海苔が敷いてあり海苔ごと巻いて食べる。赤酢を主体とした酢飯がいい。

 白甘鯛のしゃぶしゃぶは、ちり酢、もみじおろし、鴨頭ねぎでいただく。

 皮だけを炙ったメジマグロのお造りと自家製の昆布の佃煮。メジマグロの鉄分に海苔佃煮の旨味が抱き合う。

 続いて、味がなめらかな宮城のあん肝。長万部(おしゃまんべ)のホッキ貝炙り。メヒカリをカツオの酒盗に浸けて風干した干物。つまみの最後は、蓴菜(じゅんさい)の酢の物。握りに向かう前に、酢の物の酸味で一旦味を切る。

 握りはカスゴ。柔らかな締めで、酢飯と合う。アオリイカは、酢橘と塩で。赤身ヅケ、中トロ、大トロ、大阪湾のコハダ、大阪湾のアジ。トキシラズ、ノドグロ手巻きは、血合いの酸味と酢飯の酸味が利いている。そして、ウニ、白えび、穴子で終了。

 おまかせコース2万円、ペアリング付き3万円。カウンター8席、個室カウンター1室(5席)。

●鮨 在 
東京都渋谷区広尾5-3-13 Barbizon86 5階
電話=03(3446)1134
営業時間=17時半~23時
定休日=日曜日・祝日

鮨 和魂

『鮨 ます田』増田励氏監修
上質の魚を使った本格江戸前鮨

 2019年7月、『ザ・ペニンシュラ東京』内に開店。何より、青山『鮨 ます田』譲りの酢飯が素晴らしい。酸味と塩気がきっちりと利いて米の甘みを生かし、仕事をしたネタを生かす酢飯である。若き店主・山口将司さんの応対が爽やかで、居心地がいい。

 7月のある日のつまみは、オコゼのお造りから始まり、蒸しアワビ肝ソース添え、焼いたメヒカリ。焼いたタチウオ染めおろし添え。どの魚も質が高い。

 握りはマコガレイ、スミイカ、アジ、トリ貝、赤身、中トロ、トロ、コハダ、エビ、イワシ、黒ムツ、ウニ、穴子。どれも姿が美しい。特に、ネギ生姜を中にかませたアジと赤身、黒ムツが素晴らしかった。

 おまかせコースは、昼1万8000円、夜2万5000円。カウンター8席、プライベートカウンター6席ほか。

●鮨 和魂 
東京都千代田区有楽町1-8-1 ザ・ペニンシュラ東京4階
電話=03(6270)2990(10時~22時)
営業時間=[昼]12時~14時
[夜(2部制)]1部:17時半~/2部:20時~
定休日=水曜日・祝日

高柿の鮨

レトロな佇まいの店内で
しっぽりと鮨と酒を楽しむ

高柿の鮨

『新ばし しみづ』出身の若き店主・高柿伸英さんが、昨秋、水天宮の裏路地に開店。大正時代の建物の落ち着いた雰囲気の中、しっぽりと鮨と酒をいただくことができる。

 9月のある日のおまかせコースは、なめこおろしに始まり、ツブ貝、タコ、ホッキ貝のヒモ。藁で炙りたてのカツオ、アワビ肝と続く。

 煮切りが引かれた握りは、ヒラメ、新イカ、しみづ譲りの赤身、中トロ、ワサビをかまし、カボスをかけたアジ。香りがあり、煮汁をトモヅメ風に引いた蒸し鮑。イワシ。ヒモを巻き込んで握った赤貝。炙って七味が振られたホッキ貝。車海老。なめらかに溶け、卵のねっとりとした甘みを感じさせる新イクラ。ふんわりと消えていく穴子、かんぴょう巻きで締め。

 おまかせコースは、昼1万円、夜2万円。

●高柿の鮨 
東京都中央区日本橋蛎殻町1-30-2 
電話=03(6231)0923
営業時間=[昼(前日までに要予約)]12時~
[夜(2部制)]1部:18時~/2部:20時半~
定休日=水曜日

最新・東京の中国料理店(2)

サウスラボ南方(みなかた)

広東料理と潮州料理をベースに
東南アジアのテイストが融合

 神宮前の人気店『楽記』に携わった菊地和男氏がメニューを考案し、『福臨門酒家』元料理長のトミーシェフが厨房に立つ。

「田螺頭湯(干しつぶ貝とスペアリブ、白菜の蒸しスープ)」。鼈甲色の液体は、さらりとしていながら、ゆっくりと旨味が頭をもたげ、揺るぎなき養分で満たされる。

 スペシャリテの「鶏子戈渣」は、貴重な鶏の白子をペースト状にし、卵黄、上湯を合わせ、蒸してから揚げた料理。口に入れるとふわりと崩れ、艶を含んだ甘みと上湯の滋味を広げながら消えていく。

 レタスに巻いて食べる「生煎蝦餅(バイマックルと海老の餅)」。「南方香菜沙律(パクチーサラダ)」は、逞しい香菜の根っこが揚げてあり、面白い。

 スペシャリテの「脆皮炸子鶏(クリスピーチキン)」。パリッと揚がった香ばしい鶏の皮としっとりと歯にしなだれる肉に、次々と手が伸びる。腿も胸もササミも味が濃い。

「避風塘斑球(ハタの香港スパイス揚げ)」。ミックススパイスの複雑な香りに酒が進む。そして締めは、土鍋で炊き上げた「咸魚ハンバーグ土鍋ご飯」。ハムユイ独特の深い味と香りが見事に生きている。

 コースは6500円~、アラカルトでも楽しめる。ワインの揃えも素晴らしい。

●サウスラボ南方 
東京都墨田区錦糸3-7-3 オフィスナカジマビル1階
電話=03(6658)5299
営業時間=[火~金]18時~22時(LO)[土]12時~22時(LO)[日]12時~21時(LO)
定休日=月曜日(営業時間・定休日は変更の場合あり) 

4000 Chinese Restaurant

菰田欣也シェフによる
本格派中国料理の新店

『四川飯店』総料理長を長く務められた菰田欣也氏が、料理人人生の集大成ともいえる新店をオープン。フカヒレ、干し鮑、燕の巣といった高級乾貨のほか、鱧や甘鯛、蛤など、良質の食材を使い、経験と技術を生かした本格派中国料理を提供する。

 例えば、発酵白菜と一緒に炊き込んだ伊勢海老の料理は、海老の凛々しい甘みと練れた酸味との出合いに痺れること必至。「アオリイカと卵白の清湯スープ」は、金華ハムパウダーの塩気のアクセントが、イカの淡い甘みを引き立てている。

 その他、甕出し紹興酒を煮詰めた甘酸っぱいソースが、フカヒレのコラーゲンを生かした「フカヒレの姿煮」、逞しく分厚い豚の脂が、回鍋肉という料理の格を高めている「マンガリッツァ豚の回鍋肉」など。

 ランチコース1万円~、ディナーコース1万5000円~。カウンター、個室あり。

●4000 Chinese Restaurant 
東京都港区南青山7-10-10 パークアクシス1階
電話=03(6427)9594
営業時間=12時~、18時半~
定休日=不定休

新富町 湯浅

才能ある若きシェフが生み出す
東京モダンチャイニーズ

 若き才能ある湯浅大輔シェフによる、モダン中国料理店。もやし、エシャロット、赤酢漬け生姜と合わせた、エレガントなフカヒレの冷菜から始まる10皿。

 鉄観音の香ばしさをまとって甘みが生きる「黒ムツの燻製」、大豆を固めに蒸し、豆板醤と合わせて3日間置き、さらに炒めた調味豆と一緒に蒸した「スズキと野菜の蒸し物」、ミックススパイスで和えた甘鯛など、魚の質が極めて高く、それぞれの特質を生かした料理が楽しめる。

 定番の「よだれ鶏」は、ソースの味が複雑ながら綺麗で、しっとりと淡い滋味を滲ませる鶏肉を見事に引き立てている。
締めは、コク深い味わいの 「九条葱湯麺」。

 ランチコース3000円~、ディナーコース1万円~。20時以降はショートコースもあり。アラカルトにも応じる。要予約。

●新富町 湯浅 
東京都中央区新富2-7-4 growth ginza east1階 
電話=03(6222)8677
営業時間=[月・火・木・金]17時半~21時半(LO)[土・日・祝]12時~15時半、17時半~20時半(LO)
定休日=水曜日(土・日・祝のみランチ営業)