最新・東京の中国料理店(2)

サウスラボ南方(みなかた)

広東料理と潮州料理をベースに
東南アジアのテイストが融合

 神宮前の人気店『楽記』に携わった菊地和男氏がメニューを考案し、『福臨門酒家』元料理長のトミーシェフが厨房に立つ。

「田螺頭湯(干しつぶ貝とスペアリブ、白菜の蒸しスープ)」。鼈甲色の液体は、さらりとしていながら、ゆっくりと旨味が頭をもたげ、揺るぎなき養分で満たされる。

 スペシャリテの「鶏子戈渣」は、貴重な鶏の白子をペースト状にし、卵黄、上湯を合わせ、蒸してから揚げた料理。口に入れるとふわりと崩れ、艶を含んだ甘みと上湯の滋味を広げながら消えていく。

 レタスに巻いて食べる「生煎蝦餅(バイマックルと海老の餅)」。「南方香菜沙律(パクチーサラダ)」は、逞しい香菜の根っこが揚げてあり、面白い。

 スペシャリテの「脆皮炸子鶏(クリスピーチキン)」。パリッと揚がった香ばしい鶏の皮としっとりと歯にしなだれる肉に、次々と手が伸びる。腿も胸もササミも味が濃い。

「避風塘斑球(ハタの香港スパイス揚げ)」。ミックススパイスの複雑な香りに酒が進む。そして締めは、土鍋で炊き上げた「咸魚ハンバーグ土鍋ご飯」。ハムユイ独特の深い味と香りが見事に生きている。

 コースは6500円~、アラカルトでも楽しめる。ワインの揃えも素晴らしい。

●サウスラボ南方 
東京都墨田区錦糸3-7-3 オフィスナカジマビル1階
電話=03(6658)5299
営業時間=[火~金]18時~22時(LO)[土]12時~22時(LO)[日]12時~21時(LO)
定休日=月曜日(営業時間・定休日は変更の場合あり) 

4000 Chinese Restaurant

菰田欣也シェフによる
本格派中国料理の新店

『四川飯店』総料理長を長く務められた菰田欣也氏が、料理人人生の集大成ともいえる新店をオープン。フカヒレ、干し鮑、燕の巣といった高級乾貨のほか、鱧や甘鯛、蛤など、良質の食材を使い、経験と技術を生かした本格派中国料理を提供する。

 例えば、発酵白菜と一緒に炊き込んだ伊勢海老の料理は、海老の凛々しい甘みと練れた酸味との出合いに痺れること必至。「アオリイカと卵白の清湯スープ」は、金華ハムパウダーの塩気のアクセントが、イカの淡い甘みを引き立てている。

 その他、甕出し紹興酒を煮詰めた甘酸っぱいソースが、フカヒレのコラーゲンを生かした「フカヒレの姿煮」、逞しく分厚い豚の脂が、回鍋肉という料理の格を高めている「マンガリッツァ豚の回鍋肉」など。

 ランチコース1万円~、ディナーコース1万5000円~。カウンター、個室あり。

●4000 Chinese Restaurant 
東京都港区南青山7-10-10 パークアクシス1階
電話=03(6427)9594
営業時間=12時~、18時半~
定休日=不定休

新富町 湯浅

才能ある若きシェフが生み出す
東京モダンチャイニーズ

 若き才能ある湯浅大輔シェフによる、モダン中国料理店。もやし、エシャロット、赤酢漬け生姜と合わせた、エレガントなフカヒレの冷菜から始まる10皿。

 鉄観音の香ばしさをまとって甘みが生きる「黒ムツの燻製」、大豆を固めに蒸し、豆板醤と合わせて3日間置き、さらに炒めた調味豆と一緒に蒸した「スズキと野菜の蒸し物」、ミックススパイスで和えた甘鯛など、魚の質が極めて高く、それぞれの特質を生かした料理が楽しめる。

 定番の「よだれ鶏」は、ソースの味が複雑ながら綺麗で、しっとりと淡い滋味を滲ませる鶏肉を見事に引き立てている。
締めは、コク深い味わいの 「九条葱湯麺」。

 ランチコース3000円~、ディナーコース1万円~。20時以降はショートコースもあり。アラカルトにも応じる。要予約。

●新富町 湯浅 
東京都中央区新富2-7-4 growth ginza east1階 
電話=03(6222)8677
営業時間=[月・火・木・金]17時半~21時半(LO)[土・日・祝]12時~15時半、17時半~20時半(LO)
定休日=水曜日(土・日・祝のみランチ営業)

最新・東京の中国料理店

中國菜 四川 雲蓉(ユンロン)

高い実力を持つ若き料理人による
四川を中心とした料理

 原宿『龍の子』、麻布十番『中國菜 老四川 飄香(ピャオシャン)』、本場中国で修業した若き料理人、北村和人さんが昨年12月に開店。四川を中心とした料理がいただける。

 ある日の8000円のコースから一部をご紹介。まずは前菜6種から始まった。茄子とピータン、万願寺唐辛子の黒酢ソース「擂椒白茄子皮蛋」、シマエビのレモングラスと香菜、酸辣ソース「酸辣生態蝦」、甘辛い品の良い味付けが光る「涼拌空心菜」など。前菜だけで極めて高い実力が窺える。

 続いては、滋味深く、澄んだ味わいのスッポンと烏骨鶏のスープ「霸王別姫」。

「宮保夏天蠣」は、宮保(ゴンバオ)という四川風のソースで、揚げた岩牡蠣(三陸赤崎産)を絡めたもの。牡蠣のミルキーなエキスと甘酸っぱいソースとが抱き合う悦楽がある。

「乾焼刺?參」。キックの効いた本場四川のチリソースの中で、高価であろう小さく棘が立ったナマコが輝いている。

「?椒蒸東星斑」。身が盛り上がった見事な赤ハタ(長崎県産神経〆)に、納豆のような香りがする黄豆?、泡菜(パオツァイ)(漬物)の酸味、質が高い山椒の抜けがいい痺れをもたらして、辛味が渾然一体となった味わいに酔う。

「回鍋甜燒白」。豚バラを6時間蒸して切ってから、餡饅に入れる餡ともち米を一緒に蒸しあげて煎り焼きしたもの。脂、餡、もち米、3者の甘みが溶け合った優しい味。

 〆は、自家製麺による、羌族豚肉(自家製豚肉燻製)と空芯菜の泡菜の「酸辣湯麺」。新生姜の泡菜の塩分と、少量の中国の醤油、保寧醋(パオニンツゥ) (四川の黒酢)、自家製辣油、新ニンニクで味付けしてあり、止まらないおいしさである。

 最後のデザートは「眉山紅糖冰粉」。ゼリーに似た冰粉(ビンフェン)と、桃の木の樹液などを合わせた、四川風あんみつ。

●中國菜 四川 雲蓉 
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-1
電話=0422(27)5988
営業時間=11時半~14時(L.O.)、18時~21時半(L.O.)
定休日=月曜日・火曜日(祝日の場合は翌日定休) 

サエキ飯店

 神宮前『楽記』の料理長だった佐伯悠太郎さんが独立して4月に開いた店。香港の一流店で食べられるような力ある心打たれる料理に、早くも予約至難となっている。

 ある日の8000円のコースをご紹介。

「伊達鶏の紹興酒漬け」。最初の一口から嬉しくなってくる、綺麗な味である。良い塩梅を知っている料理人の味である。

「豚耳煮こごりと鶏レバーのムース」。中国にはない酒のアテ。煮こごりをムースにつけると、無性に酒が恋しくなる。

「3種の揚げ物」。南乳に3日間漬けたズッキーニ、エシャロットとパクチーで煮つけた豚肉、出汁で炊いた大根餅の揚げ物。いずれも香りと甘みの複雑さがあって、これまた酒が進む味である。

「ツブ貝の煮物」。広東米酒とクミン、豆板醤と二番出汁で炊いた料理。様々な香りが渦巻く中、ツブ貝がそっと乳白色の甘みを覗かせる。その兼ね合いがたまらない。

「うずら肉のスープ」。素晴らしい。一口飲んだ瞬間に体の力が抜けていく。うずらの滋味に溢れ、上湯、党参、蓮の実、竜眼肉、クコの実、杏仁に、ココナッツジュース、生姜の味や香りが溶け込んで、雑味なく、豊かな旨味に溢れている。

「ハタの唐揚げ醤油煮」。凛々しいハタの肉が爆ぜ、コラーゲンの甘みが舌を包む。

「冬瓜と春雨の上湯煮」。美しい味である。淡味に仕上げ、品格ある上湯の滋味が冬瓜と春雨をエレガントに輝かせている。

「乳鳩醤油煮」。鳩の鉄分と煮汁の深く丸い旨味が溶け合って、唸るような、鼻息が荒くなるようなうまさである。

 〆は、ご飯の香ばしさとハムユイの香りが混ざり合った「ハムユイ炒飯」と「上湯麺」。

 デザートは「紹興酒キャラメルパルフェ」 と「マンゴーパルフェ」。

●サエキ飯店 
東京都目黒区三田2-10-30 荒井ビル1階 
電話=03(6303)4735
営業時間=18時~24時
定休日=不定休