赤坂 鴨川Akasaka Kamogawa
名店会ファイル
2022年3月号掲載 FILE No.286
1968年に開業した「河豚料理」の名店。下関海峡周辺では「ふく」と呼ばれる。
古くから猛毒を有する魚として知られ、歴史の中で何度も食べることを禁止されてきた。明治になって山口県で除毒と調理方法が確立され、その後東京都を皮切りに免許制度が施行されて現在では安心して食されている。流通網の発展とあわせて、国内のほとんどの海域で水揚げされているので、同店では通年で上質な天然虎河豚を中心に提供している。
「厳選した丸ふくを、ソラリスなど国産のスパークリングワインと一緒にお楽しみいただいております」と女将の大菅孝子さん。 ちり鍋のふくに添えるのは、野菜を細工した「むきもの」(写真:鶴をかたどった人参)。現在では目にする機会が少なくなる中、先代から伝わる東の料理人の手仕事だ。
「ふくコース」2万6000円(税・サ込)は、前菜の盛り合わせ、とらふくの刺身、ちり鍋、雑炊、水菓子(「ふく唐揚げ」が加わると2万9000円)。さらに、この時期ならではの白子をたっぷり出汁に溶いた鍋でふくの身をしゃぶしゃぶにする「白子鍋」のコース3万5000円(税・サ込)も。昼も夜と同じコースを味わえる。
掘りごたつ個室1部屋(2~4名)、テーブル個室2部屋(2~10名)。要予約。
赤坂 鴨川
女将 大菅孝子さん
おすすめ品
ちり鍋セット

ちり鍋を自宅で手軽に味わえるセットを、専門店ならではの確かな目利きで用意。淡白な白身の魚の骨と身を昆布で炊くことで、最上質のとらふくそのものの味わいが楽しめる。
2人前でとらふく380g、奥井海生堂昆布、自家製ポン酢、あさつき、もみじおろし付き。3日前までに要予約。
●天然虎福ちり鍋セット
2万5000円
1万5000円
2011年2月号掲載 FILE No.152
大正生まれの先代が昭和四十三年に開業して以来、ふく料理の名店として名を馳せる。先代の志は、女将の大菅孝子さんによって厨房を守る若手へ継承されている。
下関もしくは豊後水道の天然とらふくを使用。その日の朝、活け締めされたものが夕方には店に届く。すぐに解体し、徐毒され、白身の部分をさらしに包んで冷蔵される。こうして例年は二~三日、身の熟成と弾力を見ながら寝かせているが、近年は、気候の変化が影響しているのか、寝かす時間が短くなってきているという。
店では下関と同様、ふぐとはいわず、「ふく」という。それにちなんだ縁起のよい「福会席」(一万五千円:以下、すべて税・サ別)は、おまかせで手頃にふくを味わうことができる。さらに堪能したいのであれば、「ふくコース」(一万八千円~)。名物の前菜、ふくさしみ、ふくちり鍋、雑炊で味わい尽くすことができる(ふくから揚げが加わると二万三千円、さらにふくしゃぶしゃぶも加えると二万八千円)。ぽん酢もシーズンに向けて仕込まれた店の特製。「二月にはふくの味わいがピークとなります。繊細で淡白ですが、毎月のようにうまみが変わっていきますので、機会があればその変化を楽しんでいただきたいですね」とは女将さん。冬本番のこの時季、白子も大きくなり、塩焼で出されることもある。
このほか、数に限りがあるが、ふくのくちばしの部分を集めて大根との炊き合わせが用意されることも。ゼラチン質のねっとりとしたうまみが大根にしみた冬の滋味を楽しめる。
来店に際しては、要予約。座敷椅子席三室、掘りごたつ一室。
赤坂 鴨川
女将 大菅孝子さん
おすすめメニュー
かくや

■材料
糠漬けの古漬け(きゅうり、なす、大根など)、新生姜(旬のものを甘酢に漬けたもの)、茗荷
■作り方
①茗荷をきれいに掃除してから甘酢に漬けておく。
②古漬けとなった糠漬けを薄切りにし、水にさらして塩抜きする。
③水気をしっかり切っておく。
④水気を切った生姜と茗荷も細かく切りそろえておく。
⑤すべてをあわせて彩りよく器にこんもりと盛ってだす。
※店では、ふく雑炊にとてもよくあい、かかせないものなので絶えず作りおきしている隠れた人気の品。
※内容は掲載当時のものです。メニュー内容・価格等については、各店舗にお問い合わせください。
1968年に開業した「河豚料理」の名店。下関海峡周辺では「ふく」と呼ばれる。
古くから猛毒を有する魚として知られ、歴史の中で何度も食べることを禁止されてきた。明治になって山口県で除毒と調理方法が確立され、その後東京都を皮切りに免許制度が施行されて現在では安心して食されている。流通網の発展とあわせて、国内のほとんどの海域で水揚げされているので、同店では通年で上質な天然虎河豚を中心に提供している。
「厳選した丸ふくを、ソラリスなど国産のスパークリングワインと一緒にお楽しみいただいております」と女将の大菅孝子さん。 ちり鍋のふくに添えるのは、野菜を細工した「むきもの」(写真:鶴をかたどった人参)。現在では目にする機会が少なくなる中、先代から伝わる東の料理人の手仕事だ。
「ふくコース」2万6000円(税・サ込)は、前菜の盛り合わせ、とらふくの刺身、ちり鍋、雑炊、水菓子(「ふく唐揚げ」が加わると2万9000円)。さらに、この時期ならではの白子をたっぷり出汁に溶いた鍋でふくの身をしゃぶしゃぶにする「白子鍋」のコース3万5000円(税・サ込)も。昼も夜と同じコースを味わえる。
掘りごたつ個室1部屋(2~4名)、テーブル個室2部屋(2~10名)。要予約。

女将 大菅孝子さん
おすすめ品
ちり鍋セット

ちり鍋を自宅で手軽に味わえるセットを、専門店ならではの確かな目利きで用意。淡白な白身の魚の骨と身を昆布で炊くことで、最上質のとらふくそのものの味わいが楽しめる。
2人前でとらふく380g、奥井海生堂昆布、自家製ポン酢、あさつき、もみじおろし付き。3日前までに要予約。
●天然虎福ちり鍋セット
2万5000円
1万5000円
2011年2月号掲載 FILE No.152
※内容は掲載当時のものです。メニュー内容・価格等については、各店舗にお問い合わせください。
大正生まれの先代が昭和四十三年に開業して以来、ふく料理の名店として名を馳せる。先代の志は、女将の大菅孝子さんによって厨房を守る若手へ継承されている。
下関もしくは豊後水道の天然とらふくを使用。その日の朝、活け締めされたものが夕方には店に届く。すぐに解体し、徐毒され、白身の部分をさらしに包んで冷蔵される。こうして例年は二~三日、身の熟成と弾力を見ながら寝かせているが、近年は、気候の変化が影響しているのか、寝かす時間が短くなってきているという。
店では下関と同様、ふぐとはいわず、「ふく」という。それにちなんだ縁起のよい「福会席」(一万五千円:以下、すべて税・サ別)は、おまかせで手頃にふくを味わうことができる。さらに堪能したいのであれば、「ふくコース」(一万八千円~)。名物の前菜、ふくさしみ、ふくちり鍋、雑炊で味わい尽くすことができる(ふくから揚げが加わると二万三千円、さらにふくしゃぶしゃぶも加えると二万八千円)。ぽん酢もシーズンに向けて仕込まれた店の特製。「二月にはふくの味わいがピークとなります。繊細で淡白ですが、毎月のようにうまみが変わっていきますので、機会があればその変化を楽しんでいただきたいですね」とは女将さん。冬本番のこの時季、白子も大きくなり、塩焼で出されることもある。
このほか、数に限りがあるが、ふくのくちばしの部分を集めて大根との炊き合わせが用意されることも。ゼラチン質のねっとりとしたうまみが大根にしみた冬の滋味を楽しめる。
来店に際しては、要予約。座敷椅子席三室、掘りごたつ一室。

女将 大菅孝子さん
おすすめメニュー
かくや

■材料
糠漬けの古漬け(きゅうり、なす、大根など)、新生姜(旬のものを甘酢に漬けたもの)、茗荷
■作り方
①茗荷をきれいに掃除してから甘酢に漬けておく。
②古漬けとなった糠漬けを薄切りにし、水にさらして塩抜きする。
③水気をしっかり切っておく。
④水気を切った生姜と茗荷も細かく切りそろえておく。
⑤すべてをあわせて彩りよく器にこんもりと盛ってだす。
※店では、ふく雑炊にとてもよくあい、かかせないものなので絶えず作りおきしている隠れた人気の品。