特集リスト

南 美希子

エッセイスト・コメンテーター

ろくごう

自宅のような寛げる空間で
客人をもてなすおばんざいと酒

 舌の悦楽とホスピタリティを求めるのであれば、店選びにさほど苦労はしない昨今の東京である。が、団欒をメインディッシュにし、静かで落ち着いた空間で品数豊富な家庭料理を味わえる店を探すとなると、そう易々とは思い浮かばない。恵比寿駅に程近いこの「ろくごう」は、多忙を極める女性経営者が、打ち上げや商談、密談などで気の置けない人々と身体に優しく家庭的で美味しい料理を食する場が欲しいという自らの願望を形にした店だ。

 紹介制というハードルはあるが、自宅のような寛げる空間で、多種多様のおばんざいと選りすぐりの酒で客をもてなしたいという思いが容易に叶うのだ。店を貸し切りたい、お気に入りの酒を持ち込みたい、要望に沿った料理を用意してほしい(イタリアンやパーティー料理といった希望にも応えてくれるそうだ)などの客のわがまま放題も、早めに伝えさえすればOKという何とも有り難い店だ。

 基本のコースは週替わりだというが、例えば、きんぴらやポテトサラダなどの5品のおばんざい、昔懐かしいスパゲティナポリタン、特製メンチカツ、和牛のたたきと続く。メヒカリの唐揚げや煮魚の日もあるらしい。お酒の品揃えも豊富で、特に第65代横綱・貴乃花がプロデュースした「貴乃花」はキレ、芳醇な香り共に申し分なく、料理を華やかに引き立ててくれる。料理のシメは釜炊きご飯と味噌汁と香の物。これにデザートがつく。

 特筆すべきはご飯の友で、こちらが魅力的極まりない。新潟から取り寄せた卵黄がひと際濃い生卵。自家製いくらと梅干し。たらこの産地として名高い北海道は虎杖浜(こじょうはま)の生たらこ。しらすとくるみの佃煮・紫蘇入り青唐辛子味噌も同じく自家製で、いずれも何回でもお代わりしたくなる。ご飯の友の中からお好みのものをお持ちしますと言われ、ここでもわがまま全開で全てお願いすることにした。とっておきのおかずで銀シャリを頬張る至福がここにはある。

 料理にさらなるイベント性を求めるならば、きりたんぽや水炊きなど、鍋物も用意できるそうだ。最近では自前で蟹を持ち込み、カニ鍋をオーダーした強者もいたそうで、わがままを言ったもの勝ちのようなところがこの店にはある。

 店名の「ろくごう」は富士山の6合目のことだそうで、常に頂上を目指し続ける謙虚さを忘れないため、とのことである。

東京都渋谷区恵比寿西1-13-6 ブラッサムZEN2階
TEL 03(6277)5501

宮内対談

コンサルティングファームを経て起業し、大手メーカーのエンジニアだった夫が技術面、妻が経営全般とそれぞれの強みを活かした役割分担のもとプリント基板検査装置メーカーとして世界第2位のシェアを占めるグローバル企業へと成長させた。
一昨年に社長退任後はリーマンショックなどの厳しい経営環境を乗り越えてきた経験と知見を活かして企業の社外取締役を務める傍らライフワークである茶道や女流義太夫など日本の伝統文化を楽しむとともに次世代への継承に心を砕く多忙な日々を送っている。

秋山 咲恵((株)サキコーポレーション ファウンダー)
経験と知見で世を照らす ライフワークは日本の伝統文化

宮内
本日はお忙しい中お越しいただき、ありがとうございます。

秋山
お招きいただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

宮内
ご出身はどちらですか。

秋山
奈良市の西大寺の近くです。東京に出稼ぎに来て、30年以上になります。。

宮内
西大寺ですか、いいところですね。京都の人気は相変わらずですが、近頃は奈良も脚光を浴びていますね。

秋山
そうですね。京都をはじめ観光地に行くと、中国人の観光客が圧倒的に多いですが、奈良は意外とヨーロッパ系の方が多いです。

宮内
東京国立博物館で「出雲と大和」という特別展が開催(3月8日まで)されていて、先日行ってきました。『日本書紀』の成立から1300年を記念して開催された展覧会で、現在の奈良県にあたる「大和」が古代日本国家の成立に重要な地域であったと紹介されていました。『日本書紀』と同時期に編纂された『古事記』が現存する日本最古の歴史書だと言われていますが、古代の歴史がもっとわかるといいなと思います。

秋山
邪馬台国がどこにあったのか、「邪馬台国論争」というのがありますが、地元ということもあって興味をもって本をいろいろと読んでいて最近わかったのが、なぜあんなところに都があったのかというと、出雲もそうですが鉱物資源があるのです。奈良の奥のほうに、朱塗りの漆をつくるのに必要な鉱物資源が採れるところがあって、それを大和朝廷は中国に輸出して経済基盤を築いていたと。昔は資源を押さえた人たちが国を司っていたということなのですね。

宮内
奈良というか「大和」はこれからもっと注目されると思いますよ。

秋山
嬉しいです。ありがとうございます。地元なので、『正倉院展』は毎年というわけにはいかないのですが割合行くのです。奈良時代の宝物を実際に今見ると、もう1300年以上経つわけですが、技術のレベルがものすごく高くて、国宝というのはこういうもののことを言うのだなと、つくづく思います。

宮内
中国をはじめインド、イラン、ローマなど、当時の世界の文化圏の要素を取り入れた最高級の美術工芸品の数々があり、それらは大陸から伝来してきたわけですが、世界中を見ても日本にしか残っていないらしいのです。そういう意味では、正倉院というのは世界の宝でしょうね。

秋山宮内
東アジア研究の権威として知られるアメリカの社会学者、エズラ・ヴォーゲルさんが、『日中関係史 1500年の交流から読むアジアの未来』(日本経済新聞出版社)という本を出されたのです。先日、日本へ来られた時に久しぶりに食事をご一緒したのですが、「ぜひ読んでください」と、その本をくださったのです。

日本と中国の関係の始まりは、1500年前の遣隋使の時代。日本は、当時の先進国であった隋や唐から技術や文化を習おうとして、遣隋使・遣唐使という遣使団を派遣したのですが、そのうちに唐が滅亡して争乱の時代に入ると勉強することがだんだんなくなって、かなり薄い関係になっていったと。交流の薄れた時期と盛んな時期と、年代によって両国の関係性に違いがあるということが書かれていて、面白いなと思いながら拝読しました。

今年90歳になる先生の、600ページ余もある大力作で、約10年を費やして書かれたそうです。

2020年3月号

◆宮内義彦対談◆

秋山 咲恵

(株)サキコーポレーション ファウンダー

◆編集長の昼膳放談◆

堀江 裕介

dely株式会社代表取締役・CEO
◆味の見聞録◆

新潟の美食どころ(1)
食による地域活性化が広がるが、以前の郷土食やB級グルメではなく、その地に行かないと食べることが叶わない美食「ローカルガストロノミー」が注目されている。2号にわたりご紹介。

目次

宮内義彦対談
秋山 咲恵((株)サキコーポレーション ファウンダー)
「経験と知見で世を照らす ライフワークは日本の伝統文化」

日々是好日なり
文・南 美希子(エッセイスト・コメンテーター)
第183回「就寝前のお手入れタイム」

食のタイムトラベル
文・加来 耕三(歴史家・作家)
第102回「菅原道真と“むめつけ”」

草を喰む
文・中東 久雄(「草喰なかひがし」主人)
最終回「“草を喰む”とは」

はんなりと京菓子
文・山口 祥二(「京菓子司 末富」代表取締役社長)
第48回「修二会つばき」

味のパトロール
文・南 美希子(エッセイスト・コメンテーター) 
三重県・志摩「いかだ荘山上(さんじょう)」

編集長の昼膳放談
ゲスト:堀江 裕介(dely株式会社代表取締役・CEO)

共感する食のフィロソフィー
文・小山 進(「パティシエ エス コヤマ」オーナーシェフ)
第71回「噂に名高いイタリアンシェフの 極上マリアージュ」

名店会ファイル
第261回「青草か」

美味良宴
文・マッキー牧元
其の二百五十五「スペイン・バスク地方 ビルバオの3つ星レストラン」

キャビンアテンダント私のお気に入り
文/写真・金 愛順(日本航空客室乗務員)
第324回「何度行ってもまた行きたくなる焼肉店『かぶん』」

味の見聞録
第278回「新潟の美食どころ(1)」

おいしい!には訳がある
文・宮川 順子(MIIKU(社)日本味育協会代表)
第51回「性能が悪くて、速くないF1って何?」

ふるさとの味、おふくろの味
文・原本 茂(小学館 監査役)
第352回「山陰の魚とイカ」

台所と食卓の名脇役
文・細萱 久美(元(株)中川政七商店バイヤー)
第23回「卵焼きフライパン」

おいしいひとり旅
文・山崎 まゆみ(エッセイスト/跡見学園女子大学兼任講師)
第36回「やっぱりひとり旅」

一期一食
文・横川 正紀(ディーン&デルーカ 代表)
第12回「多様性の魅力」

これをあげたい!
文・竹影堂榮眞(京錺師/NPO法人和の学校会員)
第144回「生ちゃこれーと」

タネもシカケもある話
文・森田 敦子((株)サンルイ・インターナッショナル代表/植物療法士)
第96回「自然ぐすり」

ドクターの天眼鏡
文・石田 浩之(医学博士)
第144回「コロナウイルスより危ないもの」

ソムリエの呟き
文・渋谷 康弘(ソムリエ)
第197回「メドックのヴェルサイユ宮殿『シャトー・マルゴー』」

ハイ!!チーズ
文・皆見 敦子(栄養士/チーズシュバリエ)
第90回「愛に溢れる那須高原のチーズ」

コーヒーを巡る人々
文・門上 武司((株)ジオード代表取締役/フードコラムニスト)
第55回「豆を挽く」

ジパング式素材交遊録
文・マッキー牧元(タベアルキスト)
第303回「カレーそばの誘惑 カレーうどんの危険」

さらり日記
文・遠山 正道((株)スマイルズ代表取締役社長)
第279回「がんもどき」

百年つづけ
文・伊藤 章良(食随筆家)
第10回「大阪は出汁、の原点」

ケ・セ・ラ・さ・ら
文・水島 美和
第192回「父がつくってくれた『おしぼりうどん』」

〈シドニー発〉麻子ママ奮戦記
文・中宮 麻子
第219回「引越し」

ひと皿のことの葉
文・上條 宏昌(小誌編集部)
第108回「面取り」

悪食三昧
文・樫井 雄介
第216回「町天ぷら」

2020年3月号 情報区

銀座『千客万来 芝濱』
春のご会食に
桜鯛と鯛ご飯

  大将が吟味する鯛が評判の『芝濱』。春は桜鯛や山菜などが献立に登場。夜のおまかせコース10,000円~は、「鯛のお造り」に始まり、メインは「ブランド豚の炭火焼き」「牛ヒレの炭火焼き」「フカヒレの姿煮」から選び、「鯛ご飯」で締め括る。昼は「鯛尽くし膳」2,000円、昼懐石5,000円~、小懐石3,800円。「旬の天ぷらコース」(前日までの予約)は、天ぷら6品に同店名物「鯛天茶」が付いて3,500円。玉子焼きに江戸前の穴子をしのばせた「穴子のお座布団」2,500円も人気。
 個室3室(10名まで)。海外からのゲストに喜ばれるオープンキッチンのカウンター席はアラカルトの用意もある。昼12:00~13:30、夜18:00~22:00(観劇後の遅い時間でも予約可能)。

●お問い合わせ・ご予約
千客万来 芝濱
Tel 03-6278-0488

キユーピー
鼻の不快感を軽減
「ディアレ」新発売

 花粉、ホコリ、ハウスダストなどによる鼻の不快感を覚える人が増加している。マヨネーズの原料の食酢をグループ会社で製造しているキユーピーは、酢酸菌(さくさんきん)の研究開発も進めてきた。「ディアレ」(7日分14粒1,080円/30日分60粒3,780円)は、鼻の不快感を軽減する酢酸菌GK-1と、一時的な精神的ストレスや疲労感を軽減するGABAを配合したサプリメント。鼻の不快感の原因物質として「花粉」の表示が認められた機能性表示食品は「ディアレ」が初となる。

●お問い合わせ
キユーピーアヲハタネットショップ
Tel 0120-0365-11
営業時間10:00~21:00
Tel 03-3486-3051

銀座『玉木』
お箸で楽しむフレンチ
春のメニュー

 旬の食材を生かした最小限の火入れで、毎日でも食べられるようなやさしい味が定評の銀座『玉木』。春は山菜を取り入れて苦みをスパイスにしたり、桜鱒やホタルイカなど和の食材も並ぶ。春の定番「蛤のナージュ」ほか、神戸牛のメンチカツレツ、じっくりと煮込んだビーフシチューやタンシチュー、ハヤシライスなどが、コースやアラカルトで楽しめる。コースは昼6,000円、夜12,000円~。

●お問い合わせ・ご予約
銀座 玉木
Tel 03-6252-9381

ジャパニーズクラフトジン
「ROKU」に
200ml 瓶が新登場

 日本ならではの6種のボタニカル(桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子)と、伝統的なジンの8種のボタニカルを使用し、2017年の発売以来好評のジャパニーズクラフトジン「ROKU」(アルコール度数47%)700ml瓶に加え、200ml瓶1,200円が全国で4月28日(火)から新発売。多種類のボタニカルをバランス良くブレンドした複層的で繊細かつスムースな味わいが、小容量サイズで手軽に楽しめる。

●お問い合わせ
サントリーお客様センター
Tel 0120-139-310

佐藤達夫氏新刊
ハードルの低い
健康法・食事法を解説

 食生活ジャーナリスト佐藤達夫氏の新刊『外食もお酒もやめたくない人の「せめてこれだけ」食事術』1,430円。「ダイエットはしたいけれど…」「朝食抜きで出勤」「昼はいつも同じコンビニ弁当」「残業が続いて外食ばかり」「お酒はやめたくないけど肝臓が気になる」など。毎日忙しいけれどこのままでは健康が心配、というビジネスパーソンの悩みに、著者が無理なく実践できる食事術を紹介。

●お問い合わせ
ウェッジ
http://www.wedge.co.jp

新潟の美食どころ(1)

Restaurant UOZEN

自ら調達した自然の恵みを活かす
地に根ざしたモダンフレンチ

 シェフの井上和洋さんが、東京の店を閉めて三条市に移り、妻の真理子さんの両親が営んでいた日本料理店『魚善』をリノベーションし、2013年にフレンチレストラン『UOZEN』を開店。自ら野菜を育て、海で魚を釣り、山で山菜を採り、狩猟免許を取得して野禽を仕留め、地に根ざした料理を創り出す。1月のジビエコース(冬季限定)1万5000円は以下の通り。

「猪の頭を使ったリエット、ゴールデンオニオンと自家製生ハムのマカロン、鴨腿肉と白インゲン豆のカスレのコロッケ」でスタート。次はスペシャリテ「ボタンエビのブイヤベース仕立て」。生のボタンエビに、ジュレ状にしたブイヤベースをかぶせ、アイオリソースを添えて。ボタンエビ特有の甘みと食感、粘質性の身質が、ブイヤベースの旨味と共鳴し、ワインが恋しくなる。

「本州鹿の昆布締めタルタル」。しなやかで、雑味なく、鉄分の美しさがある。

「せいこ蟹、バターナッツ南瓜、蟹のサバイヨンソースとイクラ」。ソースの旨味の後から身や子の味わいが顔を出す。

「天然鴨炭火焼、魚沼産そば粉のガレット、ネギの根っこ」。綺麗な味わいの鴨肉。

「ヤマドリの白湯スープ、つくね、自然薯」の次は、「鮑のシヴェ、赤ワインと蜂蜜でマリネした熊の手と干した香茸の戻し汁」。鮑の肝が優美。熊の手のコラーゲンが溶け、香茸はシャキッと凛々しい歯応え。

「ヤマドリ(胸と腿)の薪火焼、ヤマドリのソース、マタタビとミズのピクルス」。淡さと濃さ、一つの肉の中に二律背反が潜んでいて、人間の舌を翻弄する。

「熊のロティ、銀杏と熊の内臓、団四郎味噌」。厚切り肉の弾むような食感に唸る。

 デザートも秀逸。どの料理も妙なる香りと食感の出合いに震え、心に深く刻まれる。

●Restaurant UOZEN  
新潟県三条市東大崎1-10-69-8
電話=0256(38)4179
営業時間=11時半~15時(13時LO)、17時半~22時(最終入店20時・日祝は22時閉店)
定休日=月曜日・他不定休

鮨 登喜和

新潟の米の柔らかな甘みと
旨味を引き出した魚が出合う

「今日は全部新潟の魚です」と、店主の小林宏輔氏。ゆえに、マグロも穴子も煮蛤もない。地方の鮨はこうでなくちゃ。新潟の米と、寝かせたり、塩をしたり、風干ししたりと、様々な方法で旨味を引き出した魚が出合い、なんとも嬉しい幸せを呼ぶ。

 1月の夜のおまかせ(料理と握り全20種)1万円は、以下の通り。

「蕪のすり流しとズワイガニ」。続いて、「3日寝かせた本アラの握り」。じっとりと脂が乗っている。うまい。

「佐渡島アオリイカ握り」。薄切りにされて、ねっとりと甘い。胡麻のアクセントが効いている。「5日寝かせた黒ムツ握り」は、身が締まり、黒ムツ特有の身のダレがない。

 塩をして軽く脱水した「南蛮エビの握り」は、エビ味噌のペーストがかませてある。

「聖籠産の白子」は、実に綺麗な澄んだ味わい。とろとろになるまでつぶして食べ、後から酢飯を入れてよくよく混ぜる。

「マハタ」。微かに甘く、旨味が濃い。

「太刀魚握り」。本日の一番。風干しし、軽く炙った太刀魚は、しなやかな筋肉があって、噛むと一瞬抵抗を見せながら、もっちりと崩れ、酢飯と合体する。品のいい脂の甘みが流れ、その後から皮下の逞しい甘みがやって来て喉へと消えていった。

 柔らかな青い香りの「銀葉草(ぎんばそう)」に続く「潰したイクラ」は、深い味わい。

「イシモチ」はきめが細かく、しっとりとして腹身がうまい。蒸して、熱々酢飯と合わせた「メガニ」。続いて「サバの海苔巻き」と「胡桃の飴煮入り酢飯海苔巻き」。郷土特有の胡桃の存在が心憎い一品。

「栗と胡桃の飴煮入りいなり寿司」「干瓢巻き」と続き、締めは女将さんの「玉子焼き」。

●鮨 登喜和  
新潟県新発田市中央町3-7-8
電話=0254(22)3358
営業時間=12時~13時半、18時~22時
定休日=月曜日

2020年2月号

◆牛尾治朗対談◆

宇野 重規

東京大学社会科学研究所教授


◆万由美の昼膳交遊録◆

山田 文彦

雅楽師・NPO『日本伝統舞台芸術』音楽監督
◆味の見聞録◆

東京を冠した話題の店
東京の名を冠し、かつ世界でもこの店でしか味わえない唯一無二の料理を提供する、話題のレストラン2軒をご紹介。

目次

牛尾治朗対談
宇野 重規(東京大学社会科学研究所教授)
「トクヴィルの発想から学ぶ デモクラシーを支える地方都市の再生」

日々是好日なり
文・南 美希子(エッセイスト・コメンテーター)
第182回「たっちゃん、安らかにお眠りください」

食のタイムトラベル
文・加来 耕三(歴史家・作家)
第101回「“茶聖”千利休と“麩焼”」

草を喰む
文・中東 久雄(「草喰なかひがし」主人)
第70回「昔の大寒に想う」

はんなりと京菓子
文・山口 祥二(「京菓子司 末富」代表取締役社長)
第47回「HANA」

味のパトロール
文・森本 チヅ子(美容家)
三重県・志摩「いかだ荘山上(さんじょう)」

万由美の昼膳交遊録
ゲスト:山田 文彦(雅楽師・NPO『日本伝統舞台芸術』音楽監督)

共感する食のフィロソフィー
文・小山 進(「パティシエ エス コヤマ」オーナーシェフ)
第70回「肩肘張らず心から料理を楽しむ 料理人・渥美創太の『メゾン』」

名店会ファイル
第260回「赤坂柿山 赤坂総本店」

美味良宴
文・正田 隆(正田醤油(株)社長)
其の二百五十四「期待値をはるかに超えるグルメシティ、マニラ(後編)」

キャビンアテンダント私のお気に入り
文/写真・小林 瑞季(日本航空客室乗務員)
第323回「寒い冬に心から温まる とっておきの美味しい店」

味の見聞録
第277回「東京を冠した話題の店」

おいしい!には訳がある
文・宮川 順子(MIIKU(社)日本味育協会代表)
第50回「ゲコノミスト、現る!?」

ふるさとの味、おふくろの味
文・阿部 信行(万引防止出版対策本部事務局長)
第351回「もんじゃと心意気」

台所と食卓の名脇役
文・細萱 久美(元(株)中川政七商店バイヤー)
第22回「鋳物琺瑯鍋」

おいしいひとり旅
文・山崎 まゆみ(温泉エッセイスト/ノンフィクションライター)
第35回「岡山県湯原温泉『八景』」

一期一食
文・横川 正紀(ディーン&デルーカ 代表)
第11回「旅する食卓」

これをあげたい!
文・大倉 治彦(月桂冠(株)代表取締役社長・14代目当主/NPO法人和の学校会員)
第143回「月桂冠の日本酒『特撰』」

タネもシカケもある話
文・森田 敦子((株)サンルイ・インターナッショナル代表/植物療法士)
第95回「冬に大活躍の薬草『葛』」

ドクターの天眼鏡
文・石田 浩之(医学博士)
第143回「ヘディングでパンチドランカー!?」

ソムリエの呟き
文・渋谷 康弘(ソムリエ)
第196回「『シャトー・ムートン・ロスチルド』とアートラベルの歴史」

ハイ!!チーズ
文・皆見 敦子(栄養士/チーズシュバリエ)
第89回「チーズの呼び名」

コーヒーを巡る人々
文・門上 武司((株)ジオード代表取締役/フードコラムニスト)
第54回「チェイサーは続く」

ジパング式素材交遊録
文・マッキー牧元(タベアルキスト)
第302回「そば好きの戯言」

さらり日記
文・遠山 正道((株)スマイルズ代表取締役社長)
第278回「大切なこと」

百年つづけ
文・伊藤 章良(食随筆家)
第9回「親子で編む唯一無二の空間」

ケ・セ・ラ・さ・ら
文・山本 静恵
第191回「韓国風海苔巻きキンパ」

〈シドニー発〉麻子ママ奮戦記
文・中宮 麻子
第218回「森林火災」

ひと皿のことの葉
文・上條 宏昌(小誌編集部)
第107回「風呂ふき」

悪食三昧
文・樫井 雄介
第215回「次世代の中国料理」

森本 チヅ子

美容家

いかだ荘山上(さんじょう)』

味と眺めと人情の宿

 ナチュラルワインの世界では知らない人はいないという「スロベニアワイン」を日本に輸入している友人に連れられ、伊勢志摩の『いかだ荘山上』を訪れました。

 先ずは、いかだ荘に着いて中に入った瞬間、眼下に広がる穏やかで美しい的矢湾(まとやわん)に心奪われると同時に、広島生まれの私は故郷に帰ったような懐かしさを感じました。そんな風景に見とれていると、「帆船の時代、的矢は風待ちの港として、船乗りさん達が航海の疲れを癒していた所なんですよ」と、見るからに優しそうな、若女将の陽子さんが教えてくださいました。そのお話を伺い、だからこんなにも癒されるのかと納得しました。

 そして、いよいよ夕食。古くは朝廷に納めていたほど豊かな海産物が育つ伊勢志摩ですから、「きっと御馳走だろうな」とは想像していましたが、それは想像をはるかに超えるものでした。目の前の湾で獲れた伊勢エビやヒラメ、アワビなど、魚介類は全て新鮮。夢見心地でいただきました。

 中でも素晴らしかったのは的矢牡蠣のプレミアムオイスターです。普通の牡蠣とは違って少し小ぶりで、濃厚なうま味がぎゅっと詰まっていて、牡蠣特有のエグみもなく、シャキシャキした不思議な食感。広島生まれの私は牡蠣は食べ慣れているつもりでしたが、今まで食したことがない味で、そのあまりの美味しさに、プレミアムオイスターの秘密が知りたくなり調べてみました。

 普通、牡蠣の養殖は筏から海に垂直に牡蠣を重ねて垂らして育てますが、プレミアムオイスターは網目で細長いドラム缶のようなものを横にしてその中で牡蠣の幼生を成長させます。そうすることで、ふ化から収穫までバラバラで育てられるようになり、沢山の餌が得られ、牡蠣自体運動することができるので美味しく育ちます。

 さらに、「真牡蠣の旬は真冬」という常識を破ったのが「三倍体牡蠣」(産卵しないように処理した牡蠣)です。これによって、さらに私たちは美味しいプレミアムオイスターを一年中食べることができるようになりました。

 そうした新しい取り組みによって生み出された、美味しい料理の数々が運ばれるごとに、感嘆と称賛を発し、幸せをかみしめながら味わう私を、友人は誇らしげに傍で微笑んで見ていました。きっと、私も次回はお友達を誘って、皆の感嘆と称賛を聞き、「こんなに食べてこの料金!」と喜んでいる姿を、傍で誇らしげに見ていることでしょう。

三重県志摩市磯部町的矢883-12
TEL 0599(57)2035

2020年2月号 情報区

パティシエ エス コヤマ
小山進シェフ
ショコラ最新作を発売

 2019年「サロン・デュ・ショコラ パリ」において、フランスで最も権威あるショコラ愛好会「C.C.C.」が発表した「世界のトップ・オブ・トップショコラティエ100」に選出された小山進氏が最新作チョコレートを発売。
◎「SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2019」(4個入り1,728円)のテーマは、{MELLOW~緑から赤へ鏡の中の物語~}。紅茶のダージリンと、インド産カカオのショコラ・ノワール、ペルー産カカオのショコラ・ブランを組み合わせた「No.4 Mellow~ダージリン~」他、香り豊かなショコラが美しくパッケージされている。
◎「THE BEST OF BEST 10」(10個入り4,860円)は、2011~18年のC.C.C.コンクールに出品した作品の中から、小山氏自身がお気に入りの10点を選んで詰め合わせたメモリアルボックス。

●ご注文
https://www.es-koyama.com

中川政七商店
日本最大の旗艦店を
渋谷の新スポットに出店

 中川政七商店は「日本の工芸の入り口」をコンセプトにした、約130坪の大型店を『渋谷スクランブルスクエア』に出店した。定番のかや織ふきんや、試食できる食品コーナーのほか、お試しができる包丁などの台所道具、生地からオーダーできる座布団や季節の移ろいを感じる色彩豊かなお飾りなど、手仕事で製作された全国各地の商品、約4,000点が並ぶ。奈良の町並みをイメージした店内をゆっくり回遊し、お気に入りのひと品を見つけてみたい。

●お問い合わせ
中川政七商店 渋谷店
Tel 03-6712-6148
営業時間10:00~21:00

聘珍樓ショコラ
厳選された薬膳素材や
中国茶の生チョコレート

 1884年横濱中華街に創業した中国料理店『聘珍樓』。チョコレート専門店『マジドゥショコラ』松室和海氏とのコラボで昨年誕生し好評だった「?瑰露酒(メイクイルーシュ)」に、今年さらに龍井茶、東方美人茶、杏仁、陳皮の4種類が加わった(4個入り1,400円~)。素材のもつ希有な味と香りを楽しみたい。聘珍樓オンラインショップの他、2月14日(金)まで期間限定で聘珍樓本店、聘珍茶寮中華街店、銀座三越でも販売。

●ご注文
聘珍樓オンラインショップ
https://www.heichinrou-chocolat.com/

山崎まゆみ氏の新刊
『バリアフリー温泉で
家族旅行』第3弾

 エッセイスト、観光温泉学講師としても幅広く温泉を紹介している山崎まゆみ氏の新刊『バリアフリー温泉で家族旅行(3) 行ってみようよ! 親孝行温泉』(1,650円)。これまで内外の温泉をレポートしてきた山崎氏の実体験を交えてバリアフリー温泉を紹介。入院で足腰が弱っていた父が温泉でみるみる回復する姿を目の当たりに。おすすめの温泉宿や、同行者の注意点などが細かく解説された一冊。

●お問い合わせ
昭文社
https://www.mapple.co.jp

加来耕三氏の新刊
『心をつかむ文章は
日本史に学べ』

 独自の史観で著作活動を行う歴史家・加来耕三氏の新刊『心をつかむ文章は日本史に学べ』(1,518円)。◎西郷隆盛の心をつかんだ勝海舟の一世一代の文章◎秀吉と光秀の明暗を分けた文章力の差とは◎薩長同盟を成立させたのは坂本龍馬ではなく、小松帯刀の書状だった!?など、「手紙しか伝達手段がなかった時代、一流の文章術を使う者だけが生き残った」エピソードを分かりやすく解説する。

●お問い合わせ
クロスメディア・パブリッシング
http://www.cm-publishing.co.jp