新潟の美食どころ(1)

Restaurant UOZEN

自ら調達した自然の恵みを活かす
地に根ざしたモダンフレンチ

 シェフの井上和洋さんが、東京の店を閉めて三条市に移り、妻の真理子さんの両親が営んでいた日本料理店『魚善』をリノベーションし、2013年にフレンチレストラン『UOZEN』を開店。自ら野菜を育て、海で魚を釣り、山で山菜を採り、狩猟免許を取得して野禽を仕留め、地に根ざした料理を創り出す。1月のジビエコース(冬季限定)1万5000円は以下の通り。

「猪の頭を使ったリエット、ゴールデンオニオンと自家製生ハムのマカロン、鴨腿肉と白インゲン豆のカスレのコロッケ」でスタート。次はスペシャリテ「ボタンエビのブイヤベース仕立て」。生のボタンエビに、ジュレ状にしたブイヤベースをかぶせ、アイオリソースを添えて。ボタンエビ特有の甘みと食感、粘質性の身質が、ブイヤベースの旨味と共鳴し、ワインが恋しくなる。

「本州鹿の昆布締めタルタル」。しなやかで、雑味なく、鉄分の美しさがある。

「せいこ蟹、バターナッツ南瓜、蟹のサバイヨンソースとイクラ」。ソースの旨味の後から身や子の味わいが顔を出す。

「天然鴨炭火焼、魚沼産そば粉のガレット、ネギの根っこ」。綺麗な味わいの鴨肉。

「ヤマドリの白湯スープ、つくね、自然薯」の次は、「鮑のシヴェ、赤ワインと蜂蜜でマリネした熊の手と干した香茸の戻し汁」。鮑の肝が優美。熊の手のコラーゲンが溶け、香茸はシャキッと凛々しい歯応え。

「ヤマドリ(胸と腿)の薪火焼、ヤマドリのソース、マタタビとミズのピクルス」。淡さと濃さ、一つの肉の中に二律背反が潜んでいて、人間の舌を翻弄する。

「熊のロティ、銀杏と熊の内臓、団四郎味噌」。厚切り肉の弾むような食感に唸る。

 デザートも秀逸。どの料理も妙なる香りと食感の出合いに震え、心に深く刻まれる。

●Restaurant UOZEN  
新潟県三条市東大崎1-10-69-8
電話=0256(38)4179
営業時間=11時半~15時(13時LO)、17時半~22時(最終入店20時・日祝は22時閉店)
定休日=月曜日・他不定休

鮨 登喜和

新潟の米の柔らかな甘みと
旨味を引き出した魚が出合う

「今日は全部新潟の魚です」と、店主の小林宏輔氏。ゆえに、マグロも穴子も煮蛤もない。地方の鮨はこうでなくちゃ。新潟の米と、寝かせたり、塩をしたり、風干ししたりと、様々な方法で旨味を引き出した魚が出合い、なんとも嬉しい幸せを呼ぶ。

 1月の夜のおまかせ(料理と握り全20種)1万円は、以下の通り。

「蕪のすり流しとズワイガニ」。続いて、「3日寝かせた本アラの握り」。じっとりと脂が乗っている。うまい。

「佐渡島アオリイカ握り」。薄切りにされて、ねっとりと甘い。胡麻のアクセントが効いている。「5日寝かせた黒ムツ握り」は、身が締まり、黒ムツ特有の身のダレがない。

 塩をして軽く脱水した「南蛮エビの握り」は、エビ味噌のペーストがかませてある。

「聖籠産の白子」は、実に綺麗な澄んだ味わい。とろとろになるまでつぶして食べ、後から酢飯を入れてよくよく混ぜる。

「マハタ」。微かに甘く、旨味が濃い。

「太刀魚握り」。本日の一番。風干しし、軽く炙った太刀魚は、しなやかな筋肉があって、噛むと一瞬抵抗を見せながら、もっちりと崩れ、酢飯と合体する。品のいい脂の甘みが流れ、その後から皮下の逞しい甘みがやって来て喉へと消えていった。

 柔らかな青い香りの「銀葉草(ぎんばそう)」に続く「潰したイクラ」は、深い味わい。

「イシモチ」はきめが細かく、しっとりとして腹身がうまい。蒸して、熱々酢飯と合わせた「メガニ」。続いて「サバの海苔巻き」と「胡桃の飴煮入り酢飯海苔巻き」。郷土特有の胡桃の存在が心憎い一品。

「栗と胡桃の飴煮入りいなり寿司」「干瓢巻き」と続き、締めは女将さんの「玉子焼き」。

●鮨 登喜和  
新潟県新発田市中央町3-7-8
電話=0254(22)3358
営業時間=12時~13時半、18時~22時
定休日=月曜日