今、最も金沢で輝く店

respiracion(レスピラシオン)

若き3人のシェフによる
モダンスパニッシュ

 築140年の町家を改築したスペイン料理店。梅達郎氏、八木恵介氏、北川悠介氏、地元出身の若き3人のシェフが、豊かな金沢の食材の新たな魅力をふりまく。

 ある日は、スペシャリテ「インパクト 甘海老」から始まった。甘海老の殻や尻尾のビスキュイの上に身が置かれ、頭の味噌で作ったシートが被せてある。続く「パノラマ」と題した皿では、海と里の風景を表現。蕪の出汁をガストロバックで浸透させた蕪と、揚げ里芋に柚子のベシャメルソース。コロッケ状にして青海苔をまぶしたメバルと、加賀れんこんのブニュエロ。能登牡蠣とナマコのスペイン風ピッツァのコカ。

「能登牛 脂 旨味」は、加熱した牛薄切りでウニを巻いたものに、アゴ出汁と煎茶を合わせ、旨味の増幅を狙った皿。

 魚料理は「温度焦点 鰆」。みずみずしさが残るように精妙に火入れした鰆と、金沢一本太ねぎを使ったカルソッツ(焼きねぎ)の力強くも優しい甘みが出合う。

 肉料理は、「生命をいただく」と題した皿。能登牛ランプと鹿肉、黒文字に刺した猪の心臓が盛り合わせてある。いずれも火入れが素晴らしく、添えた肉厚の椎茸「のと115」の香り高く旨味の強いこと。

「加賀百万石大名行列」は、香箱蟹のパエリャ。香箱蟹の内子、外子、味噌、身のすべてと、野菜の甘み、動物的な滋味も渾然一体となって米に染み込んでいる。

 デザートは、紋平柿(もんぺいがき)で作ったエスプーマとムースとアイス、オレンジのチュイール添え。さらに、「未来へ」と題し、五郎島金時、俵屋のじろ飴、ヤギのチーズと蜂蜜、アーモンドケーキなどの甘みが登場する。

 昼夜ともに、コースは8000円~1万7000円(税・サ別)。

●respiracion 
石川県金沢市博労町67
電話=076(225)8681
営業時間=12時~15時(昼は一斉スタート)、18時~20時(L.I)
不定休

日本料理 片折

地の優れた食材の味を
卓越した技で活かした日本料理

 割烹が数多くある金沢で、片折卓矢氏の金沢食材への情熱と卓越した技により、今や一番の人気となっている。優れた食材を探しに、遠方まで生産者の元へ足を運ぶ。

 昨年11月の蟹を盛り込んだコースをご紹介。最初は「すっぽんのお粥」。清く、深い味わいに食欲の窓が開く。

「香箱蟹」の甘みに酔い、続いて目の前で鰹節を引き、とった出汁を切子のグラスで飲む。その豊かさと清らかさに唸る。

「アンコウと蕪のお椀」。凛々しい筋肉質の食感と優しい甘みを滲ませるアンコウに、すうっと均一に加熱された蕪が共鳴し合う。最初は淡いが、次第にアンコウの香りが溶け出して、味わいが深くなっていく。

 お造りは「ヒラメ」で、噛むほどに甘みが滲み出る。低温で酒蒸しした「あん肝」は、口に入れた途端溶けるように消える。続いての「迷いカツオの炙り」は、身が滑らかで、じっとりと脂が乗っている。

 肉感的な「鴨ロースの炭火焼き」が出され、いよいよ「焼きズワイガニ」の登場。蟹の体液が沸騰しないように細心の注意を払って焼かれた蟹は、優美この上ない。清らかで、みずみずしく、透明感のある甘みが、ポタリポタリと舌に落ちていく。

 その感動の息を抜くかのように、「ふろふき大根」が出され、再び「茹でガニの蟹ミソかけ」と来て、最後は「里芋煮物」と、実にシブい。野菜料理も秀逸で、焚き物という料理の重要さをわきまえた仕事が光り、しみじみとしたおいしさを感じさせながら、季節への感謝を募らせる。

 締めは、半熟茹で卵、昆布の佃煮、白ご飯、蟹ご飯、バッテラと続き、できたての「葛焼き」となる。この甘味も、去り際がいい。

 カウンター6席のみ。コース2万円~。

●日本料理 片折 
石川県金沢市並木町3-36
電話=076(255)1446
営業時間=12時~14時半(昼は水曜・日曜のみ営業)、17時~19時半・20時~22時半(夜は2部制)
不定休