2018年10月号

◆牛尾治朗対談◆

田口 義隆

セイノーホールディングス(株)代表取締役社長

◆万由美の昼膳交遊録◆

松尾 豊

東京大学大学院工学系研究科特任准教授
◆味の見聞録◆

フランス料理の新店(1)
話題の新しいフランス料理店を、二号にわたってご紹介したい。若い新進気鋭の二人のシェフによる料理に、刺激を受け、楽しんでほしい。

目次

牛尾治朗対談
田口 義隆(セイノーホールディングス(株)代表取締役社長)
「会社を発展させ、社員を幸福にする」

日々是好日なり
文・南美希子(エッセイスト・コメンテーター)
第166回「旅」

食のタイムトラベル
文・加来耕三(歴史家・作家)
第85回「西郷隆盛が〝荘内の西郷さん〟に振る舞った、豚肉の煮物」

草を喰む
文・中東久雄(「草喰なかひがし」主人)
第54回「縄文人に学ぶ」

はんなりと京菓子
文・山口祥二(「京菓子司 末富」代表取締役社長)
第31回「麩焼き煎餅」

悪食三昧
文・樫井雄介
第199回「食いしん坊の世代断絶」

味のパトロール
文・伊藤 公一(伊藤病院院長)
愛知・名古屋「備長炭ステーキ炉 Sakai」

万由美の昼膳交遊録

ゲスト:松尾 豊(東京大学大学院工学系研究科特任准教授)

美味良宴
文・正田 隆(正田醤油(株)社長)
其の二百三十八「全米一住みやすい街は、また訪れたい、美食の街(1)」

味の見聞録
第261回「フランス料理の新店(1)」

おいしい!には訳がある
文・宮川順子(MIIKU(社)日本味育協会代表)
第34回「薬膳料理は中華だけ?」

ふるさとの味、おふくろの味
文・渡瀬 昌彦(講談社常務取締役)
第335回「タカコさんの天麩羅」

台所と食卓の名脇役(新連載)
文・細萱 久美(元(株)中川政七商店バイヤー)
第6回「ライスクッカー」

おいしいひとり旅
文・山崎まゆみ(温泉エッセイスト/ノンフィクションライター)
第19回「指宿温泉『いぶすき秀水園』 やっぱり産地が一番うまい」

口福の造り手を訪ねて
文/写真・猪口由美(『セコムの食』商品バイヤー)
第151回「ほがらか最中アイス」

これをあげたい!
文・横山 操(京都大学大学院農学研究科研究員・NPO法人和の学校会員)
第127回「秋の調べ」

タネもシカケもある話
文・森田敦子((株)サンルイ・インターナッショナル代表/植物療法士)
第79回「産前産後のケア」

ドクターの天眼鏡
文・石田浩之(医学博士)
第127回「食嗜好と記憶」

ソムリエの呟き
文・渋谷康弘(ソムリエ)
第180回「がんばれ『クラヴィスオレア』 どちらも一番になってほしい」

ハイ!!チーズ
文・皆見敦子(栄養士/チーズシュバリエ)
第73回「チーズバーガー」

コーヒーを巡る人々
文・門上武司((株)ジオード代表取締役/フードコラムニスト)
第38回「モノアートコーヒーロースターズ」

共感する食のフィロソフィー
文・小山 進(「パティシエ エス コヤマ」オーナーシェフ)
第54回「カカオの故郷メキシコ 肌で感じた未体験の食文化」

ジパング式素材交遊録
文・マッキー牧元(タベアルキスト)
第286回「老練なうなぎ職人の巻」

さらり日記
文・遠山正道((株)スマイルズ代表取締役社長)
第262回「夕御飯」

〈シドニー発〉麻子ママ奮戦記
文・中宮麻子
第202回「小休止」

キャビンアテンダント私のお気に入り
文/写真・満名 禎恵(日本トランスオーシャン航空客室乗務員)
第307回「悠久の泡盛文化とともに」

ケ・セ・ラ・さ・ら
文・都築 理沙
第175回「ハーブ風味の肉団子 トマト煮込み」

名店会ファイル
第244回「新宿つな八つのはず庵」

ひと皿のことの葉
文・上條宏昌(小誌編集部)
第91回「分量外」

2018年9月号

◆宮内義彦対談◆

山田 進太郎

(株)メルカリ代表取締役会長兼CEO

◆とーやまの昼膳放談◆

戌井 昭人

俳優・劇作家・小説家

◆味の見聞録◆

話題のイタリア料理店
今年新しくオープンした話題のイタリア料理店をご紹介。まったくタイプの異なるこの二軒は、東京食文化の豊かさを教えてくれる店である。

目次

宮内義彦対談
山田 進太郎((株)メルカリ代表取締役会長兼CEO)
「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」

日々是好日なり
文・南美希子(エッセイスト・コメンテーター)
第165回「不眠症」

食のタイムトラベル
文・加来耕三(歴史家・作家)
第84回「独楽吟にうたわれた食と酒」

草を喰む
文・中東久雄(「草喰なかひがし」主人)
第53回「雨ニモマケズ風ニモマケズ」

はんなりと京菓子
文・山口祥二(「京菓子司 末富」代表取締役社長)
第30回「おはぎ」

悪食三昧
文・樫井雄介
第198回「鮎の焼き方」

味のパトロール
文・立松 典子 (百貨店勤務)
北海道・札幌「オステリアタッキーニ 」


とーやまの昼膳放談
ゲスト:戌井 昭人(俳優・劇作家・小説家)

美味良宴
文・マッキー牧元
其の二百三十七「『富山美食探訪満腹ツアー(最終回)」

味の見聞録
第260回「話題のイタリア料理店」

おいしい!には訳がある
文・宮川順子(MIIKU(社)日本味育協会代表)
第33回「古漬けとヨーグルト どちらの酸味がお好き?」

ふるさとの味、おふくろの味
文・杉田 啓三(ミネルヴァ書房代表取締役社長)
第334回「ナスと『おふくろの味』」

台所と食卓の名脇役(新連載)
文・細萱 久美(元(株)中川政七商店バイヤー)
第5回「手付きセラミック付き焼き網」

おいしいひとり旅
文・山崎まゆみ(温泉エッセイスト/ノンフィクションライター)
第18回「『房総鴨川温泉 是空』アワビ踊り焼きとまご茶づけ」

口福の造り手を訪ねて
文/写真・猪口由美(『セコムの食』商品バイヤー)
第150回「山田製油のごま油」

これをあげたい!
文・辰野 勇 ((株)モンベル代表取締役会長・NPO法人和の学校理事)
第126回「式亭の『余情残心』と『お番菜』」

タネもシカケもある話
文・森田敦子((株)サンルイ・インターナッショナル代表/植物療法士)
第78回「夏の終わりのフィトケア」

ドクターの天眼鏡
文・石田浩之(医学博士)
第126回「ボクシングと私」

ソムリエの呟き
文・渋谷康弘(ソムリエ)
第179回「世紀のワインコレクション ワインは飲むべきか、集めるべきか」

ハイ!!チーズ
文・皆見敦子(栄養士/チーズシュバリエ)
第72回「チーズセミナー」

コーヒーを巡る人々
文・門上武司((株)ジオード代表取締役/フードコラムニスト)
第37回「アイスコーヒー」

共感する食のフィロソフィー
文・小山 進(「パティシエ エス コヤマ」オーナーシェフ)
第53回「ジャンルを越えた『美味しいもの』へ レストランとしての次なるステージ」

ジパング式素材交遊録
文・マッキー牧元(タベアルキスト)
第285回「初うなぎと鰻串の幸福」

さらり日記
文・遠山正道((株)スマイルズ代表取締役社長)
第258回「小山さん」

〈シドニー発〉麻子ママ奮戦記
文・中宮麻子
第201回「アンチエイジング」

キャビンアテンダント私のお気に入り
文/写真・上田 知子(日本航空客室乗務員)
第303回「由布院盆地を一望する 丘の上のピッツェリア」

ケ・セ・ラ・さ・ら
文・丸山 晶
第174回「タコとドライトマトのマリネ」

名店会ファイル
第243回「Wakiya迎賓茶樓」

ひと皿のことの葉
文・上條宏昌(小誌編集部)
第90回「こってり」

2018年9月号 情報区

中國菜 老四川 飄香
井桁良樹シェフの新店
六本木ヒルズにオープン」

伝統的な“オールド四川”を生かしながら現代風にアレンジし、野菜をふんだんに使って優しく仕上げる、井桁良樹シェフのスタイルが人気の「中國菜 老四川 飄香」。麻布十番本店、三越銀座店に続いて、9月13日(木)、六本木ヒルズウエストウォーク5Fに「老四川(ラオシセン) 飄(ピャオシャン)香(ピャオシャン) 小院(シャオイン)」がオープン。アラカルトメニューを中心に、数々の四川名菜を提供する。四川料理の本場、成都屈指の名店「松雲澤」に入門し、さらに研鑽を積んで帰国した井桁シェフがどのような料理を発信するのか楽しみだ。
なお、オープン準備のため、麻布十番本店は9月10日(月)~17日(月)臨時休業となる。
■老四川 飄香 小院
東京都港区六本木6-10-1 ウエストウォーク5F
ランチ:11時~14時半(L.O.)
ディナー:17時~21時(L.O.)

●お問い合わせ・ご予約
03-6426-5664(飄香本店)
http://www.piao-xiang.com

DEAN & DELUCA
日本上陸15周年記念
「うつわ」展開催

 DEAN&DELUCAが、20人の日本の作家によるうつわ展『はたらく器、おいしい皿。2018』を、9月25日(火)~10月1日(月)六本木店、10月9日(火)~18日(木)福岡店で開催。9月25日(火)~10月31日(水)オンラインでも販売。一点ものと出合えるチャンスだ。また、9月23日(日)12:00~THE ARTISAN TABLE・DEAN & DELUCAで『吉田直嗣さんの白と黒のうつわでいただく休日ブランチ』(10,800円)、10月9日(火)19:00~DEAN & DELUCA 福岡で『京都「なる屋」上嶋良太シェフとうつわを楽しむ一夜ディナー』(8,640円)のイベントも開催する。

●お問い合わせ
http://www.deandeluca.co.jp

ワンダーテーブル
上質な国産赤身肉を提供
「短角牛」プロジェクト

(株)ワンダーテーブルは2015年より短角牛の仔牛を岩手県山形町で飼育し、同社の各レストランで提供する取り組みを行っている。3年経ち同社が目指す赤身肉の状態となったため、「ユニオン スクエア トウキョウ」のステーキ、「オービカ モッツァレラバー」六本木ヒルズ店・高輪店でハンバーガーで提供を始めた。今年秋にしゃぶしゃぶ・すき焼き「モーモーパラダイス」歌舞伎町本店、来年春にシュラスコ「バルバッコア」丸の内店でも提供を開始する予定。

●お問い合わせ
(株)ワンダーテーブル
http://www.wondertable.com

キユーピー サラダクラブ
「素材パウチ」シリーズ
「3種の麦ミックス」発売

豆や雑穀は、健康的で食べごたえのある素材として人気が高まっている。サラダクラブ「素材パウチ」は、一食使い切りで、袋から出してそのままサラダのトッピングやスープの具材として使用できる、豆や雑穀、オリーブ、ツナなどの素材シリーズ。新発売の「3種の麦ミックス(キヌアと黒米入り)」は、もち麦・押麦・オーツ麦に、キヌア、黒米の組み合わせ。メインのもち麦は糖質の吸収を抑えるβ-グルカン(水溶性食物繊維)を多く含む近年注目の素材。

●お問い合わせ
キユーピー
TEL 0120-14-1122

サントリー
津軽産ワイン
コンクールで金賞受賞

国産原料ぶどうを使用した日本ワインの品質と認知度の向上を図るとともに、日本ワインの個性や地位を高めることを目的とした「日本ワインコンクール2018」において、「サントリージャパンプレミアム 津軽産ソーヴィニヨン・ブラン 2017」が、2015、2016ヴィンテージに続き3年連続で金賞を受賞。青森県津軽地区産ソーヴィニヨン・ブランを100%使用し、青リンゴを思わせる爽やかな香り、しっかりとした果実味と程良い酸味が特長。

●お問い合わせ
サントリー tel 0120-139-380
http://suntory.jp/NIHON/

KOIKEYA PRIDE POTATO
天ぷらサクサク食感
「海老のかき揚げ」発売

日本が世界に誇る和食をポテトチップスで表現した「KOIKEYA PRIDE POTATO 天ぷら茶塩」に続く“天ぷらサクサク食感”シリーズの第2弾、「海老のかき揚げ」(オープン価格)が、全国コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどで新発売された。桜海老と甘海老の濃厚な旨みがサクッと砕けるような食感とともに口の中に広がり、程良い塩味と海老の香ばしさの余韻を感じさせる、まるでかき揚げのような食べ心地に仕上がっている。

●お問い合わせ
湖池屋 お客様センター
TEL 0120-941-751(平日9時~17時)

Turandot臥龍居
軽食が楽しめる
セルフ式テラス席新設

手早く昼食を済ませたい時など、テイクアウトの料理は重宝する。それが名店の厨房で作られた料理であれば、うれしいものだ。赤坂「Turandot臥龍居」の屋外のテラス席で、軽食の利用ができるようになった。セルフ方式の券売機で購入できる手軽なもので、昼は定番の麻婆豆腐を中心におかずが入ったランチボックス(700円~)、麺だけでも利用可能。夜は、ビールと餃子、点心でカジュアルに楽しめる場となっている。

●お問い合わせ
Turandot臥龍居
TEL 03-3568-7190

聘珍樓の中秋月餅
月を愛でながら
家族の幸せを願う

聘珍樓は9月24日の中秋節に合わせ、あんの中に満月に見立てたアヒルの塩卵が入った、中国の伝統レシピで作り上げる秋季限定広東月餅「蛋黄蓮蓉月餅」(蓮の実あん:1,350円)と、「蛋黄豆沙月餅」(黒あん:1,188円)の2種を、お月見をデザインした中秋節限定ギフト缶入で9月8日(土)から発売する。聘珍樓レストラン・聘珍茶寮全店、百貨店内聘珍樓全店舗、聘珍樓通販サイト・聘珍ショッパーズにて。

●お問い合わせ・ご注文
聘珍樓 聘珍ショッパーズ
TEL 0120-886-629
http://www.heichin.com

話題のイタリア料理店

QUINDI(クインディ)

多彩なアラカルトが揃い
様々な利用ができる楽しい店

 2018年3月に開店。以前、同じ京都の有名で働いていた料理人とサービスの仲間が、それぞれ別の店で経験を積んだあと、再び集合してこの店を作ったという。一見してイタリア料理店とは思えぬ、カフェ風の自由な雰囲気で、デートから子連れの家族まで、幅広い層の人たちで賑わう。

 また、店に入るとマーケットがあり、レストランで使う食材や調味料、ワインなどを販売しているので、食事をして気に入ったものをおみやげとして買って帰ることができる。ここで買ったワインをレストランに持ち込むことも可能。

 夜はアラカルトが豊富に揃い、京都の野菜を中心に、日本各地の食材の生産者の名前が品書きに載る。

 なかでもお勧めは、鳥取狩猟協会のドンだという次郎さんのジビエ。その一つ「次郎鹿」は、夏鹿を七十度のスープに入れて湯通しし、鹿の骨のフォンとバルサミコを合わせたソースをかけ、レーズン、松の実、焼きナスを添えた料理である。夏の鹿らしい、しなやかで柔らかい滋味があって惚れ惚れとする肉の魅力を、濃厚ながらも繊細な味わいのソースが高めている。

 そのほか「千葉竹岡の太刀魚のフリット」もいい。三日間寝かせ、米粉で揚げた太刀魚の甘みを、緑オリーブのタプナードの酸味とボッタルガ(カラスミ)の塩気が、そっと持ち上げる。

 前菜では、千葉県産のイワシを高品質の白ワインヴィネガーでマリネし、高級すもも「貴陽(きよう)」と合わせた料理がお勧め。

 プリモピアットでは、きれいで太いうま味と軽やかな甘みが生きている、茨城のトマト

「華おとめ」を使った「スパゲッティ・ポモドーロ」が素晴らしい。そのほか、高知県産の鮎と、京都産の「あさかぜ」という香り高い胡瓜を合わせ、山形産米とカルナローリ米を使ったリゾットもいい。

 メインには、「次郎鹿もも肉のグリル」や「今帰仁アグーバラ肉の煮込み」、肉汁をたっぷり含んだ「ホロホロ鳥のグリル」など、魅力的な皿が待ち構えている。

 ほかにも、「朝どれ枝豆の塩茹で」や、旬の魚介料理を盛り込んだ「舟盛り」、全国から届いた野菜の盛り合わせ、イタリア産と国内産のシャルキュトリーを盛り合わせた「イタリア半分 日本半分」など、メニューが多彩なので様々な使い方ができて、実に楽しい店である。
 
東京都渋谷区上原2-48-12 東洋代々木上原コーポ101 
電話=03(6407)0703
営業時間=[リストランテ]11時半~14時(L..O.)、18時~22時(L..O.)[マーケット]11時~23時
定休日=水曜日

Osteria dello Scudo(オステリア デッロ スクード)

伝統を深めつつ洗練させた
未来へと繋がる郷土料理

 天現寺「インカント」から独立した小池教之シェフによる新店。「インカント」ではイタリア二十州の郷土料理の抜粋を提供してきたが、この店では一州に絞った料理を三ヶ月ごとに提供していく。ワインもその地方のものが用意される。

 七~九月は、カラブリア州の料理である。長靴型をしたイタリアのつま先部分にあたる地で、古くから多くの民族の交流があり、唐辛子を使った料理が有名である。また、野菜を工夫して使った料理も多い。

 突き出し盛り合わせは、「ネオナータ(生しらす)のベルガモット風味」「ズッキーニのソテーミント風味」「ほうれん草とチコーリアのフリッタータ(オムレツ)」。

 ズッキーニを食べた瞬間に目を見開き、体中の細胞が揺れ動いた。均一に加熱されたズッキーニから優しい甘みが出て、ミントの爽やかな香りがその甘さを優しく見守っている。さらに、生しらすの料理もフリッタータも、自然でありながら、調理の精巧さがある。その哲学と技術に感服した。

 続いての前菜は「柔らかく茹でた真鯖の冷製 ガエータオリーブのインサラータ(サラダ) ボッタルガかけ」。茹でた鯖が、しっとりとねっとりと舌に絡んで甘えてくる。その食感を際立たせるようにウイキョウはシャキシャキと弾み、オレンジは溌剌とした香りを放ち、ボッタルガの塩気が鯖の甘みを持ち上げる。

 次は「ロザマリーナ風味のタコとジャガイモ、ケッパーのインサラータ チロ マリーナ仕立て」。 カラブリア州に伝わる発酵保存食のロザマリーナ(しらすの赤唐辛子漬け)でタコとジャガイモのサラダを味付けした料理で、イタリアのおかひじき、アグレッティが添えられる。ロザマリーナの練れた塩気と酸味がタコを生かす。そして生に近い食感を残したジャガイモは、なんと四時間低温で茹でたものだという。

 続いて「豚耳、豚足、カシラ、舌のゼラティーナ エルバッチァ(香草サラダ)とクッチーア(茹でた大麦)仕立て」は、豚のコラーゲンの優しい甘みに満ちている。添えたサルサヴェルデ(緑ソース)の香りが驚くほど高い。豚と大麦、ソースを一緒に食べれば、豊かな大地が目の前に広がっていく。

「アルバニア由来のパスタ シュトゥリーデリャ 仔山羊のラグー チヴィタ風」。山羊の滋味と羊チーズの香りを極太麺が受け止める。目をつぶれば山の中にいる光景が浮かぶ、素朴ながらも力強い料理である。

「燻製豚肉とリクイリツィア(甘草)のオルツォット(丸麦のリゾット)」は、豚肉の燻製香と甘草の香りが入り混じる中、素朴な麦の味が広がっていく。どこか懐かしさを感じる、温かみのある料理である。

 主菜は、「豚肉のアッロスト ンドィヤ(唐辛子を混ぜたサラミ)と赤ワインのソース」。精妙に加熱された豚肉と、辛味と酸味が食欲を刺激するソースが抱き合う。

 ドルチェも、リクイリツィアのパイや、豚血を加えたチョコレート、ひよこ豆のピュレなど、しみじみと味が染み入るカラブリアの郷土菓子が出される。

 郷土料理の再現なら、ある程度誰にでもできるだろう。だが、その哲学を理解しながら精度を上げ、あるいは、調理の工程を確認しながらさらに良き方法を探って実践するのは、容易なことではない。温度も香りも洗練させる。超えてはいけないものと超えてもいいものを判断する。先人の知恵に敬意を払いながら、その文化を踏襲していく責任と覚悟を心に据え、新たな宇宙を作る。小池シェフの勇気と度量、技術の深さが成した、どこにもない料理である。食いしん坊なら、イタリア料理好きなら、ぜひ出かけてほしい。

 コースは、五千五百円~八千円。サービスもカジュアルで心地よい。

東京都新宿区若葉1-1-19 Shuwa House 014 1階 
電話=03(6380)1922
営業時間=12時~14時(L..O.)、18時~22時(L..O.)
定休日=日曜日・月1回不定休

2018年8月号

◆茂木友三郎対談◆

川淵 三郎

日本トップリーグ連携機構会長・日本サッカー協会相談役

◆万由美の昼膳交遊録◆

松田 誠

(株)ネルケプランニング代表取締役会長
◆味の見聞録◆

話題の和食店
魅力的な和食の店が、都内に新しく次々とオープンしている。今回はその中より選りすぐって、ぜひ訪れてほしい二つの店をご紹介。

目次

茂木友三郎対談
川淵 三郎(日本トップリーグ連携機構会長・日本サッカー協会相談役)
「地域コミュニティでスポーツを楽しむ環境を整える」
日々是好日なり
文・南 美希子(エッセイスト・コメンテーター)
第164回「追っかけ」

食のタイムトラベル
文・加来 耕三(歴史家・作家)
第83回「“三井の番頭さん”と呼ばれた料理男子・井上馨(後編)」

草を喰む
文・中東 久雄(「草喰なかひがし」主人)
第52回「料理は仕合せ作り」

はんなりと京菓子
文・山口 祥二(「京菓子司 末富」代表取締役社長)
第29回「地蔵盆」

悪食三昧
文・樫井 雄介
第197回「西麻布のあるバーの終焉」

味のパトロール
文・関野 了 (南青山「ゼファー」オーナー)
東京・南青山「海味」

万由美の昼膳交遊録

ゲスト:松田 誠((株)ネルケプランニング代表取締役会長)

美味良宴
文・マッキー牧元
其の二百三十六「富山美食探訪満腹ツアー(2)」

味の見聞録
第259回「話題の和食店」

おいしい!には訳がある
文・宮川 順子(MIIKU(社)日本味育協会代表)
第32回「南インドのミールス」

地味礼賛
文・小橋 琢己((株)暮しの手帖社常務取締役)
第333回「作っているその場で買えるから 気持ちもお腹も満たされる『大学いも』」

台所と食卓の名脇役
文・細萱 久美(元(株)中川政七商店バイヤー)
第4回「カレーのためのスプーン」

おいしいひとり旅
文・山崎 まゆみ(温泉エッセイスト/ノンフィクションライター)
第17回「温泉を花火にたとえたら…」

口福の造り手を訪ねて
文/写真・猪口 由美(『セコムの食』商品バイヤー)
第149回「おめで鯛の一夜干し 」

これをあげたい!
文・種田 道一(金剛流能楽師・NPO法人和の学校理事)
第125回「変わらないもの」

タネもシカケもある話
文・森田 敦子((株)サンルイ・インターナッショナル代表/植物療法士)
第77回「アーユルヴェーダの食事」

ドクターの天眼鏡
文・石田 浩之(医学博士)
第125回「ガリガリ君と熱中症」

ソムリエの呟き
文・渋谷 康弘(ソムリエ)
第178回「世界一おいしいステーキとシンデレラ・ワイン」

ハイ!!チーズ
文・皆見 敦子(栄養士/チーズシュバリエ)
第71回「カチョカヴァロ」

コーヒーを巡る人々
文・門上 武司((株)ジオード代表取締役/フードコラムニスト)
第36回「珈琲屋さん」

共感する食のフィロソフィー
文・小山 進(「パティシエ エス コヤマ」オーナーシェフ)
第52回「料理が面白くってしょうがない 他ジャンルが羨む中国料理の真骨頂」

ジパング式素材交遊録
文・マッキー牧元(タベアルキスト)
第284回「うなぎはミステリアスの巻」

さらり日記
文・遠山 正道((株)スマイルズ代表)
第260回「せめて鼻歌以上」

〈シドニー発〉麻子ママ奮戦記
文・中宮 麻子
第200回「卒業式」

キャビンアテンダント私のお気に入り
文/写真・吉原 真佐子(日本航空客室乗務員)
第305回「日本茶に魅せられて」

ケ・セ・ラ・さ・ら
文・中村 亜紀
第173回「バナナブレッド」

名店会ファイル
第242回「泉屋東京店」

ひと皿のことの葉
文・上條 宏昌(小誌編集部)
第89回「サクサク」

2018年8月号 情報区

銀座吉兆
夏を乗り切る特別献立
「納涼スタミナ懐石」

昨年の夏に好評を博した、銀座??兆の「酷暑を乗り切る特別献立」が今年も登場。7月24日(火)~9月2日(日)の期間限定で「納涼スタミナ懐石」を提供する。
口開けは、焼石の上で車海老や烏賊の酒盗風味を好みの加減で焼く「魚介の石焼」。お椀は、「鮑と玉子豆腐」もしくは「夏鴨叩き寄せ」。夏魚の鱧は、温かみを残した切り落としを梅肉山葵醤油で。続く焼物は、「鰻白焼??兆風」もしくは「黒毛和牛サーロインつけ焼」。最後の御飯は、「すっぽん土鍋御飯」もしくは天然鮎塩焼を炊き込んだ「鮎御飯」。あっさり締めたい方には「蒸し鮑と冷麦」の用意もある。
価格はお一人様27,000円(税込・サービス料別)。当日予約も可能。精のつく料理で暑気払いをぜひ。
※8月13日(月)~16日(木)は夏季休業。17日(金)は夜のみの営業。

●お問い合わせ・ご予約
銀座吉兆
TEL 03-3535-1177
https://www.kitcho.com/tokyo

後藤加寿子氏
和食文化を伝える
著書2冊刊行

茶道武者小路千家十三世家元有隣斎と千澄子氏の長女として生まれ、本格的な懐石料理を家庭に取り入れながら和食文化を伝える料理研究家、後藤加寿子氏の著書。
『和食のおさらい事典』(光文社)では、だしを冷凍保存したり、だしパックを利用す
るなど、忙しい毎日に役立つアイデアを提案。食育の基本からマナー、レシピまで親子で和食を学べる一冊。『後藤加寿子のおせち料理』(文化出版局)は、おせちの基本レシピやお重の盛り付け方などが丁寧に写真付で解説されている。共に1,944円。●お問い合わせ
光文社  TEL 03-5395-8172
文化出版局 TEL 03-3299-2540

銀座Sun-mi高松
フランス料理 エミュの
グルメセット

老舗の味が家庭で楽しめる、サンミオリジナルギフト「フランス料理エミュのグルメ3点セット」(8,640円)。10日間かけて作るデミグラスソースを使った、黒毛和牛ビーフシチュー×2人前、黒毛和牛ハンバーグステーキ×3人前、黒毛和牛ローストビーフ×2人前の真空パック。その他「黒毛和牛サーロインステーキ」(160g×5枚12,960円)、「黒毛和牛サーロインすき焼き」(800g12,960円)、「焼き肉セット」(800g8,640円)など。送料別。
●お問い合わせ・ご注文
銀座Sun-mi高松本店
TEL 03-5568-3300

銀座ドンピエール
フレンチのシェフが作る
カレーギフトセット

銀座で30年以上続く老舗フレンチ「レストランドンピエール銀座本店」。多くのメディアで紹介される極上の黒毛和牛ビーフカレーと、旨味とコクが特徴の黒毛和牛ハヤシのギフトセットが通販で購入できる。「黒毛和牛ビーフカレー」(冷凍・4袋5,616円)、「黒毛和牛ビーフカレー&黒毛和牛ビーフハヤシアソートセット」(冷凍・各2袋6,048円)、レトルトの「匠肉(たくみにく)ビーフカレー」(常温・4箱3,240円)など。送料無料。

●お問い合わせ・ご注文
ドンピエール受注センター
TEL 03-4405-3509
http://www.dompierre.tokyo/

銀座 ア・ニュ
フレンチと中国茶の
コラボイベント開催

「GINZA SIX」13階に昨年オープンし、人気を博しているフランス料理店「ロムデュタン シニエ ア・ニュ」で、8月20日(月)・21日(火)の両日12時から、ランチイベントを開催。京都の白川疎水沿いにある「銀月サロン」の中国茶ソムリエ、中国国家茶芸師・評茶員の高田小絵子氏を迎え、簑原祐一シェフによるフレンチと中国茶のペアリングが楽しめる。参加費はお一人様14,000円(料理ドリンク代・税・サービス料込)。ご予約はお電話で。

●お問い合わせ・ご予約
ロムデュタン シニエ ア・ニュ
TEL 03-6263-9773(水曜定休)

カツとカレーの店
「ジーエスG.S with旬香亭」
虎ノ門にオープン

静岡「旬香亭」斎藤元志郞氏がプロデュースしたカツとカレーの店が、虎ノ門にオープン。店名のジーエスは氏のイニシャルから。東京目白店や神田の姉妹店「ポンチ軒」で評判のカツをキャベツの千切りと盛り込んだ「カツカレー」1,300円。他に「チキンカレー」1,100円、「ロースカツセット」1,000円、夕方から「カツ皿」900円などを提供。

●お問い合わせ・ご予約
ジーエスG.S with旬香亭
東京都港区虎ノ門1-8-4
営業時間:11時~15時、17時~売切れ仕舞/定休日:日曜・祝日
TEL 03-6550-8141

ダイナースクラブ協賛
多様なフランス料理を
気軽に楽しむ17日間催

国内最大級のフランス料理イベント「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2018」が、9月22日(土)~10月8日(月・祝)に開催。全国600店以上の参加フレンチレストランで、ランチ2,500円または5,000円、ディナー5,000円の一律価格でのスペシャルコースメニューを提供(いずれも税・サ込)。今年は「トレ・ボン!日本のテロワール」をテーマに、各地の“和食材”を各店のシェフが取り上げ、フランス料理に仕上げる。

●お問い合わせ・お申し込み
フランス レストランウィーク事務局
https://francerestaurantweek.com/

森岡梨(あり)氏 レシピ本
おいしいお菓子を生む
レシピとおしゃれな形

青山の焼き菓子店「A.R.I.」を昨年閉店し、教室や期間限定の菓子販売等で活動中の森岡梨氏が『A.R.I.のお菓子のデザイン』(1,620円)を上梓。アートディレクションには本誌でお馴染みの藤枝リュウジ氏が参加。コーヒーケーキ、マフィンなど、7タイプの菓子からそれぞれのバリエーションを紹介。「完成形をイメージしてから作り始めると仕上がりに断然差が出る」という森岡氏が、おいしい味を生むレシピとおしゃれな形の理由を紹介。

●お問い合わせ
文化出版局
TEL 03-3299-2540

話題の和食店

てのしま

瀬戸内の山海の幸を盛り込んだ
新しいかたちの日本料理

「菊乃井」主人・村田吉弘氏に師事し、本店副料理長、赤坂店料理長を務めた経験を持つ林亮平氏が、青山一丁目駅より徒歩三分、青葉公園の向いのビルの二階に、今年三月二十日に開いた「てのしま」。林氏は香川県手島(てしま)の出身で、瀬戸内の山海の幸をふんだんに使った日本料理を出す。〝割烹未満、居酒屋以上〟といった雰囲気で、気軽に料理を楽しむことができる。

 一万円の一コースのみで、二十一時以降は単品のアラカルトの用意もあり、気軽に一品、一杯から立ち寄れる。

 六月のある日のコースは以下の通り。

 突き出しは「とうもろこし冷やし茶碗蒸し」。十二分にとうもろこしの甘みが引き出された冷やし茶碗蒸しの上に、よもぎの餡がかけられている。甘さと苦みのバランスのセンスが素晴らしい。

「稚鮎のコンフィ 胡瓜蓼おろし」。レモン、木の芽添え。塩焼きではなく、コンフィにすることによって、鮎の持つすべての良さが引き出されている。胡瓜の爽やかな青々しさを加えた蓼酢のピュレとの相性がよく、このあと続く料理に向き合う気持ちを高めてくれる。

 出汁の味わいが優しい「甘鯛と翡翠茄子の煮物椀」に続き、「お造り」は、金目鯛、スズキ、石鯛の盛り合わせ。いずれも香り高く、程よい脂の乗り具合と食感で、非常に質が高い。

「鱧 温南蛮」。鱧のフリットに赤玉ねぎの酢漬けを汁ごとかけ、松の実を添える。揚げた鱧の甘みに、赤玉ねぎの甘みと酸味のコクが加わり、酒を呼ぶ逸品。

「はなが牛醤油ステーキ 和ハーブバター」。愛媛県西予市宇和町で、豊かな自然のもと、地元産の飼料米を与えて育てられる「はなが牛」は、健康な証だろう、脂肪が少なく、味がしっかりとして濃い。その肉に、レモン汁とパセリを混ぜ込んだステーキ定番のメートルドテルバターならぬ、和ハーブを練り込んだバターを合わせるところが心憎い。

「てのしま寿司」。おいなりさんと鯖寿司。どちらも端正な作りで美味しい。

「いりこだしにゅうめん」。しなやかな食感と小麦の香りが良い、小豆島・船波製麺所のそうめんに、伊吹島のいりこで取っただしのつゆがホッとする優しい味わい。最後のデザートは「くずきり」が供される。

 ドリンクペアリングは六千円。日本酒は、通好みから一般的な人気のあるものまで品揃えが見事。ワインの揃えもいい。
 
東京都港区南青山1-3-21  1-55ビル2階
電話=03(6316)2150
営業時間=18時~23時(LO)
定休日=日曜日・月2回不定休 
※消費税・サービス料10%別途

久丹(くたん)

情熱とまごころのこもった
質の高い料理の数々

 元麻布「日本料理かんだ」で長年働いていた中島功太郎氏が、今年の四月七日に開いた店。白を基調としたモダンな内装に、赤の絵が華を添えている。真っ白な空間に赤を飾ることが理想だったという店主の言葉通り、清さと情熱が感じられ、場と空気が凛とする効果が得られている。

 コースは二万三千円。「かんだ」で養われた食材を吟味する眼を生かした、極めて質の高い料理が次々と出される。

 六月のある日のコースは、「メヒカリとインゲンの天ぷら」から始まった。インゲンをメヒカリで巻いて天ぷらにしたもので、メヒカリの淡い甘さが食欲を刺激する。
続いて「広島蓴菜(じゅんさい)、舞鶴のアワビ、胡瓜、合わせ酢」。蓴菜と厚く切ったアワビ、細切りの胡瓜を合わせ、上に花付きのミニ胡瓜があしらってある。アワビの厚み、胡瓜の細さにちゃんと意味があり、すべてが口中で馴染む美しさがある、涼を呼ぶ一皿。

「アオリイカの黄身和え、オランダのオシェトラキャビア」。細切りのイカを卵の黄身で和え、キャビアが載せられている。イカの甘みと黄身の甘み、キャビアの香りと塩気が、優雅に混じり合う。

 お造りの一皿目は「舞鶴産とり貝」。見事な分厚いとり貝で、噛むとじっとり甘いエキスが滲み出て喉に落ち、メロンのような甘い香りを残す。

 続いて「宇和島のオコゼ」。皮の湯引きも添えてあり、やや乳白色が差した半透明の刺身を食べると、確かな弾力があって、その中からゆるゆると甘い滋味が染み出してくる。鴨頭ねぎだけ添えた、シンプルな盛り付けもいい。

 蓋裏に松や梅の文様があしらわれた黒塗椀に入れられた煮物椀は、「アイナメ、針茗荷、ゆずの花」である。つゆを一口飲めば、「かんだ」譲りの淡く、実に素直できれいな味わいだが、飲むほどにしみじみとしたうま味が積もっていき、余韻が丸い。椀種のアイナメは見事な大きさで、優しい甘みを舌に落としながら滑らかに口中に消えていく。その滋味が溶け出して、次第に味わいが深まっていき、胸が高鳴る。そして、最後の一滴を飲み干したクライマックスに陶然となるは必至。

 次は、「島根定置網、マグロの手巻き寿司」である。赤と白と黒。まさにこの店の空間を模したものであろうか―。海苔の香りが素晴らしく、マグロの香り、酢飯の香りと共鳴し合う。

「若鮎の焼き物」。頭から齧れば、実に香ばしく、苦味、甘みが渾然と口の中で混じり合い、うねり合う。

「毛ガニ」は、ヤングコーンとつるむらさきの取り合わせで。ふっくらとした毛ガニ足のむき身は、心休まるような、ふくよかな甘みがある。そのあとは、カニみそ和えのカニの身を、少量のご飯の上に載せて供される。

 続いては「天然鰻」。鰻を一旦開いてから閉じて焼いたものである。「めそ」と呼ぶ小ぶりな鰻ゆえに、香ばしい甲殻類の殻のような香りが放たれる。

 締めは「もずくご飯」。塩をせず、蛤の出汁だけをはった小鉢に、ご飯とあられ、青森のもずくが入れられる。うま味過剰ではない、サラリとした締めのごはんもオツなものである。添えた香の物は鰹節を和えたキャベツで、これまた素朴でいい。

 最後のデザートは、「さくらんぼとゼリー、カスタードクリーム」。

 店名の「久丹」の「久」は、次世代まで残る店にしたいとの願いから「永久の〝久〟」を一字取り、 それに、食欲をそそる色・情熱の〝赤い色〟や〝まごころ〟などの意味を持つ「丹」の字を合わせたもの。正に、その想いが伝わる料理の数々である。

東京都中央区新富2-5-5 新富MSビル1階 
電話=03(5543)0335
営業時間=17時半~22時半(LO)完全予約制
定休日=日曜日・祝日 
※消費税・サービス料10%別途

2018年7月号

◆牛尾治朗対談◆

柳川 範之

東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授

◆とーやまの昼膳放談◆

石上 純也

建築家


◆味の見聞録◆

とんかつ
様々な飲食店が集う大阪神戸にて、気軽に行けて、美味しい料理が待ち構える、話題の店を各種ご紹介。

目次

牛尾治朗対談
柳川 範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授)
「新しい時代を見据えた 新しい『日本的経営』のあり方」

 
日々是好日なり
文・南美希子(エッセイスト・コメンテーター)
第163回「歌の力」

 
食のタイムトラベル
文・加来耕三(歴史家・作家)
第82回「“長州三尊”の一人で 料理男子だった井上馨(前編)」

 
草を喰む
文・中東久雄(「草喰なかひがし」主人)
第51回「天の川と祇園囃子」

 
はんなりと京菓子
文・山口祥二(「京菓子司 末富」代表取締役社長)
第28回「祇園祭」

 
悪食三昧
文・樫井雄介
第196回「地方のドミナント戦略」

 
味のパトロール
文・木村 忠史(兵庫県三田市木村クリニック院長)
兵庫・神戸「中国菜 二位」

 

とーやまの昼膳放談
ゲスト:石上 純也(建築家)

 
美味良宴
文・マッキー牧元
其の二百三十五「富山美食探訪満腹ツアー」

 
味の見聞録
第258回「大阪神戸話題の店」

 
おいしい!には訳がある
文・宮川順子(MIIKU(社)日本味育協会代表)
第31回「ショートや粒々のうどんがないのは何故?」

 
地味礼賛
文・佐藤 淳(コスミック出版取締役編集統括部長)
第332回「旅先で『賜る』味」

 
台所と食卓の名脇役(新連載)
文・細萱 久美(元(株)中川政七商店バイヤー)
第3回「THE GLASS」

 
おいしいひとり旅
文・山崎まゆみ(温泉エッセイスト/ノンフィクションライター)
第16回「おいしい温泉とまずい温泉」

 
口福の造り手を訪ねて
文/写真・猪口由美(『セコムの食』商品バイヤー)
第148回「女将さんのちりめん山椒」

 
これをあげたい!
文・梶田 真章(法然院貫主・NPO法人和の学校理事)
第124回「Dari Kのカシューチョコ」

 
タネもシカケもある話
文・森田敦子((株)サンルイ・インターナッショナル代表/植物療法士)
第76回「女性のセンシュアリティー」

 
ドクターの天眼鏡
文・石田浩之(医学博士)
第124回「反則タックル狂騒曲」

 
ソムリエの呟き
文・渋谷康弘(ソムリエ)
第177回「スペインのパワーに圧倒されたマドリッドの夜」

 
ハイ!!チーズ
文・皆見敦子(栄養士/チーズシュバリエ)
第70回「放牧の季節」

 
コーヒーを巡る人々
文・門上武司((株)ジオード代表取締役/フードコラムニスト)
第35回「コーヒー新世代」

 
共感する食のフィロソフィー
文・小山 進(「パティシエ エス コヤマ」オーナーシェフ)
第51回「父から継いだ味覚と技を洗練し 個性へと昇華させる若き探求者」

 
ジパング式素材交遊録
文・マッキー牧元(タベアルキスト)
第283回「好きな食べ物、嫌いな食べ物」

 
さらり日記
文・遠山正道((株)スマイルズ代表取締役社長)
第259回「お出迎え」

 
〈シドニー発〉麻子ママ奮戦記
文・中宮麻子
第199回「フィジオセラピー」

 
キャビンアテンダント私のお気に入り
文/写真・和田 恵美(日本航空客室乗務員)
第304回「釣り紀行的フードツーリズム」

 
ケ・セ・ラ・さ・ら
文・松本 圭子
第172回「サンマの佃煮」

 
名店会ファイル
第241回「赤坂ジパング スーパーダイニング」

 
ひと皿のことの葉
文・上條宏昌(小誌編集部)
第88回「さらさら」