2018年11月号

◆茂木友三郎対談◆

大八木 成男

帝人(株)相談役

◆とーやまの昼膳放談◆

杉山 恒太郎

(株)ライトパブリシティ代表取締役社長

◆味の見聞録◆

フランス料理の新店(2)
前号につづき、若い新進気鋭のシェフによる料理が楽しめる、話題の新しいフランス料理店を2軒ご紹介。

目次

茂木友三郎対談
大八木 成男(帝人(株)相談役)
「自身の経験を、次世代に伝えていく」

日々是好日なり
文・南 美希子(エッセイスト・コメンテーター)
第167回「お受験」

食のタイムトラベル
文・加来 耕三(歴史家・作家)
第86回「陸援隊長・中岡慎太郎が奨励した、“柚子”の効能」

草を喰む
文・中東 久雄(「草喰なかひがし」主人)
第55回「収穫感謝の日」

はんなりと京菓子
文・山口 祥二(「京菓子司 末富」代表取締役社長)
第32回「亥の子餅」

悪食三昧
文・樫井 雄介
第200回「人たらしの店」

味のパトロール
文・張 陽子(大学講師)
東京・麻布十番「Courage」


とーやまの昼膳放談
ゲスト:杉山 恒太郎((株)ライトパブリシティ代表取締役社長)

美味良宴
文・正田 隆(正田醤油(株)社長)
其の二百三十九「全米一住みやすい街は、また訪れたい、美食の街(2)」

味の見聞録
第262回「フランス料理の新店(2)」

おいしい!には訳がある
文・宮川 順子(MIIKU(社)日本味育協会代表)
第35回「イライラよりのんび~りでおいしくなる!」

ふるさとの味、おふくろの味
文・渡邉 眞紀(三陸新報社専務取締役)
第3360回「春の香り満載の『バッケ味噌』」

台所と食卓の名脇役(新連載)
文・細萱 久美(元(株)中川政七商店バイヤー)
第7回「南部鉄瓶『柚子』」

おいしいひとり旅
文・山崎 まゆみ(温泉エッセイスト/ノンフィクションライター)
第20回「私の師匠 秋田県乳頭温泉郷『鶴の湯』」

口福の造り手を訪ねて
文/写真・猪 口由美(『セコムの食』商品バイヤー)
第152回「安曇野厨房の中華惣菜」

これをあげたい!
文・元井 雄大 (NPO法人和の学校会員)
第128回「京の柚子は、えぐみがない」

タネもシカケもある話
文・森田 敦子((株)サンルイ・インターナッショナル代表/植物療法士)
第80回「季節の変わり目に良いケア」

ドクターの天眼鏡
文・石田 浩之(医学博士)
第128回「ドーバー海峡の向こう側」

ソムリエの呟き
文・渋谷 康弘(ソムリエ)
第181回「エビフライ、とんかつに合うワイン」

ハイ!!チーズ
文・皆見 敦子(栄養士/チーズシュバリエ)
第74回「ブルーチーズ」

コーヒーを巡る人々
文・門上 武司((株)ジオード代表取締役/フードコラムニスト)
第39回「大坊さん」

共感する食のフィロソフィー
文・小山 進(「パティシエ エス コヤマ」オーナーシェフ)
第55回「辛味の深みを知る楽しみ 伝統を今に伝える地場レストラン」

ジパング式素材交遊録
文・マッキー牧元(タベアルキスト)
第287回「毛豆、本茶豆、黒枝豆の幸せ。」

さらり日記
文・遠山 正道((株)スマイルズ代表取締役社長)
第263回「誰かの何か」

〈シドニー発〉麻子ママ奮戦記
文・中宮 麻子
第203回「長女の結婚」

キャビンアテンダント私のお気に入り
文/写真・吉川 奈津紀(日本航空客室乗務員)
第308回「極上日本の朝ごはん」

ケ・セ・ラ・さ・ら
文・中村 亜紀
第176回「スタッフド・バゲット」

名店会ファイル
第245回「オー・プロヴァンソー」

ひと皿のことの葉
文・上條 宏昌(小誌編集部)
第92回「煮えばな」

フランス料理の新店(2)

サンプリシテ

堂々たるフランス料理の風格
日本の魚が中心のコース

 フランスやスイスの数々の星付き店にて研鑽を重ねて帰国し、『銀座レカン』スーシェフ、広尾『レヴェランス』、荻窪『ヴァリノール』料理長を歴任後、昨年12月に独立開業した、相原薫シェフの店である。

 日本の魚はキレイで、水のような澄んだ味わいがある。しかし熟成させると、たちまち内に眠っていた凛々しさが顔を出す。濃密に味が膨らんだ魚は油脂ともなじみ、さらりと軽い野菜のソースをかけても色気がにじみ出る。「1か月も熟成できる魚は世界中を探しても日本にしかない」という相原シェフは、極めて質の高い魚を仕入れ、それらを熟成させて、力強い野菜と合わせる。魚と野菜のたくましいミネラルが結合して、色気を醸し出す。 
 1コースのみで、昼は5000円(7~8皿)、夜は1万3000円(11~13皿)、税・サ別。完全予約制。

 ある夏の夜のコースは以下の通り。

  1. 2週間寝かせたサワラと焼き茄子ピュレにトマト。サワラの熟れた色気と、焼き茄子の香りが素晴らしく合う。
  2. サブレ・ブルトンヌに、ボルディエの海塩バター、68℃で火入れをしたシラスと卵黄、黒オリーブのマドレーヌ。マドレーヌの食感と香ばしさが食欲をくすぐる。
  3. パン・ド・カンパーニュ、ボルディエの海藻バター、釧路町昆布森の毛ガニ、ラトビアのキャビア「オシェトラ」。毛ガニの味の濃さが全てをまとめ上げている。
  4. 6日間寝かせたイワシとネギ、生姜。イワシの温度帯が素晴らしい。それが色気を醸して、ワインが飲みたくなる。
  5. ボタンエビ、ボタンエビ頭のコンソメ、ダークチェリー、バラの花。真空氷温漬けにしたボタンエビの濃縮した甘みが、ダークチェリーの甘酸味や華やかなバラの芳香と合わさり、ときめく瞬間がある。
  6. アワビ、アワビのフォンとクリームとバターのソース。トリュフ。ジャガイモのリゾット。
  7. 胡麻鯖、トマト水とグリーンオリーブのスープ。フィンガーライム、ルッコラ、カラマンシービネガー。生き生きとした胡麻鯖の肉が生み出す豊潤な滋味と爽やかな香り、トマト水やグリーンオリーブの旨味が醸し出す美しさに、うっとりとなる。
  8. スジアラ、小松菜のソース。5日間寝かせたスジアラの雄大な滋味と、小松菜の青々しい香りとの出合いにより、味に底知れぬ深みを生み出している。
  9. 京都七谷(ななたに)鴨とインゲン。赤ワインとマグロ節、イリコと椎茸、マッシュルームと白菜、昆布のソース。軽やかさと濃密さを両立させた味のソースが、精妙に火入れされた鴨肉の滋味を持ち上げて素晴らしい。
  10. ビーツと抹茶パウダー。ビーツの真髄だけを煮詰めたような濃縮感がいい。

 デセールは、ほうじ茶のフォンダンとソルベ。これまた香り高く、心を安らげる。最後は、小さなシュークリームと台湾茶。

 相原シェフの料理は、どの皿も堂々たるフランス料理の風格がある。精神を溶かし、肉体を弛緩させる。それはおそらく、フランスで長く修業して学んだ、彼の根っこにある、料理人としてのある種のしたたかさではないだろうか。そこに潜むフランス料理の哲学が、我々を魅了するのである。

東京都渋谷区猿楽町3-9 アヴェニューサイド代官山12階 
電話=03(6759)1096
営業時間=12時~13時半(L.O.)、18時~20時半(L.O.)
定休日=月曜日・第1火曜日(祝日の場合は翌日)

アルゴリズム

独創性を生み出す
良質の魚とクラシックなソース

『銀座レカン』『カンテサンス』で経験を積まれた、深谷博輝シェフが昨年秋に開いた店。モダンな内装、カウンターだけの店を、シェフとサービスの二人で切り盛りされている。1コースのみで、昼は8000円(7~8皿)、夜は1万4500円(10~11皿)。料理に合わせたペアリングのみの用意で、ワインペアリング4500円~1万500円(3~7杯)、ノンアルコールペアリング5500円(5杯)、税・サ・水込。完全予約制。

 ある夏の夜のコースは以下の通り。

  1. スイカのモヒート。半割りにした小さなスイカの中にモヒートが入れられ、涼が口の中を吹き抜ける。
  2. ピサラディエール。南仏郷土料理をアルゴリズム流で。温めた石の上にパンスフレ、玉ねぎのコンフィ、オリーブ。
    ?煮たレンズ豆と焼き茄子のフリット、白イカのソテー。レンズ豆、茄子、イカ、3者の甘みが見事に融合する。フランス料理のエスプリがある、上等なスナック。
  3. ウニのサバイヨン、アールグレイのビスク。面白い。サバイヨンによって、2種類のウニが生々しくなることなく、丸く色香を伴って甘みが引き立っている。
  4. 肝、湯あがり娘、つぶ貝のリゾット。オレンジ、オクサリス(カタバミ)。極めて質が高い500gアップの堂々たるつぶ貝と肝の旨味に、茹で具合が絶妙の、甘みが強い枝豆「湯あがり娘」の青々しい香りが抱き合う。そこに、オレンジやハーブが軽く酸味のアクセントを添える。
  5. オマール、アボカド、青リンゴ、バジル、インゲン、アメリケーヌソース。このオマールもまた質が高く、軽く仕上げながらも旨味が深いソースがさらに持ち上げる。
  6. マナガツオ、豆のつる先とロケットピーマン。2週間熟成させたマナガツオをシャンパーニュソースで。素晴らしく気品が立ち上る一皿。なんと均一な加熱だろう、フォークを入れると、カツオは生き生きと滋味を広げながらも滑らかに崩れていく。どこにも引っかかりがない、ムースである。慎重に噛みこめば、濃密な海の滋養が流れ出る。クラシックなシャンパーニュソースの柔らかくキレのある酸味が、カツオの甘みを抱き込んで優美にする。堂々たるフランス料理である。
  7. ランド産ホロホロ鳥とフォアグラ、ソース・ペリグー、赤オクラ、スベリヒユ(食べられる雑草)。マディラ酒をたっぷり使ったソース・ペリグーの深みがいい。
  8. 野菜のコンソメ焼き、とうもろこし風味。

 デセールは、赤肉メロンとメロンシャーベット、アーモンドメレンゲ。最後は、タルト、ヨーグルト、クリーム、黒イチジク。

 若いながら、クラシックなソースを大切にし、そのソースと質の高い魚介類を合わせ、独創的な料理を生み出す深谷シェフの力量は見事である。

東京都港区白金6-5-3 さくら白金102 
電話=03(6277)2199
営業時間=12時~13時(L.O.)、18時~20時(L.O.)
定休日=日曜日・月曜不定

茂木友三郎対談


1971年、慶應義塾大学経済学部卒業後、帝人に入社された大八木成男さん。
入社4年後にアメリカのバブソン大学院に留学。
帰国後、医薬事業本部の立ち上げから参加し、2008年に社長に就任するまで33年間一貫してヘルスケア事業に携わり、その事業の発展に大きく貢献された。
今後は、自身が成されてきたことを、将来を担う若い人たちが追体験できるように導いていきたいと語る。

大八木 成男(帝人(株)相談役)
自身の経験を、次世代に伝えていく

茂木
ようこそお越しくださいました。

大八木
お招きいただきまして、ありがとうございます。

茂木
私は帝人とは長いお付き合いをさせていただきました。元会長・社長の安居祥策さんは私と同い年で、尊敬する立派な経営者の一人ですが、安居さんが社長を務められていた時(1997~2001)、「アドバイザリー・ボード」というものを作られて、私もそのメンバーの一人でした。

アドバイザリー・ボードは、指名委員会や報酬委員会の機能を持つと共に、取締役会に対して経営に対する助言や提言を行うことを目的に、1999年に社外の有識者を中心に設置されました。現在は「コーポレートガバナンス・コード」(上場企業が守るべき行動規範)がありますが、帝人は先駆け的な会社で、当時としてはとても画期的でしたし、それを始められた安居さんは立派だと感心しました。

大八木
そうですね。帝人は日本におけるコーポレートガバナンスの走りと言えるかもしれません。1991年に業務提携したデュポン社(アメリカの化学系複合企業)の事業本部体制を取り入れたことから、国内では早くからガバナンス、企業戦略、CSR(企業の社会的責任)に取り組んできました。

茂木
アドバイザリー・ボードのメンバーは、当初の規定では「社外有識者4名以上と、帝人の会長、CEOで構成。原則として社外有識者のうち2名は外国人とする」となっていて、日本人は、私と駐中国大使を務められた國廣道彦さんの2名、外国人は、デュポン社元会長のジョン・エー・クロールさんと、ICI社(イギリスの化学企業)元会長のサー・ロナルド・ハンペルさんの2名でした。定例会は年に2回開催されて、議論は英語で行われました。人の評価をする際、日本人はどうしても遠慮しがちになりますが、外国の方は、良いものは良い、良くないものは良くないとハッキリ言うでしょう、私はその点は素晴らしいと思いましたね。発言の仕方ということにおいて非常に勉強になりました。

それ以降、大八木さんが社長になられた時(2008)も、その前に長島徹さんが社長になられた時(2001)も含め、歴代の社長はアドバイザリー・ボードで選ばれているのですね。

大八木
アドバイザリー・ボードに指名・報酬委員会を設けて、そこで経営トップの選解任や報酬について審議をしています。

茂木
その後、私は社外取締役を仰せつかって、帝人とは通算8年間お付き合いさせていただきました。大八木さんとも経済同友会でご一緒するなど、お付き合いは長いですね。

大八木
そうですね。20年近くになるかと思いますが、大変お世話になっております。

張 陽子

大学講師

Courage(クラージュ)
食通も「食べたことのない味」に出逢える魅惑の店

 様々な名店でキャリアを積み「サービス」の極意を知る相澤ジーノ氏が「こだわり抜いた店」を、10年ほど前に一世を風靡した有名レストランがあった麻布十番の「あの場所」にオープンしたと聞き、食通の友人とディナータイムに訪問。

 先日のファースト・フライデー(アメリカンクラブで毎月第1週目の金曜日に行われるパーティー)のテーマは「’70s Disco Night」。数々の『ソウル・トレイン』系の楽曲を懐かしむこの世代は「食の楽しみ方」に非常にうるさい。「食」も「サービス」も一通り最上級を味わったせいか、もう新たに感動することはなかなか無いのが正直なところだ。

 そんな人たちでも感動し、五感に刺激を与えてくれる店があるとの噂は、どうやら「あの場所」に今年3月にオープンした「Courage」らしい。

 こちらでは、一皿一皿の料理とワインや日本酒をペアリングするので、二人で訪れても沢山の種類のお酒が堪能可能とのこと。己の好みを熟知して、好きなお酒ばかり頼んでしまう日々だが、時には違う新たな出逢いを期待するのもいいものかもしれない。

 ディナーコースは1万5,000円のみ。季節の食材をふんだんに使い、食べたことのない味を演出する大井健司シェフは、イタリアで修業を積み、イタリアの郷土料理をベースにしながらフレンチやスパニッシュ、日本の味覚を絶妙にアレンジさせる「シェフ界の魔法使い」といっても過言ではないほどの腕を持っている。

 コースの内容を一つ一つ紹介したいが書ききれないので、詳しくは是非ホームページで閲覧していただきたい。

 鬼灯(ほおずき)の酸味の美味しさを上手に披露したり、アワビの肝のソースを特製パスタ(鳴門のワカメを練り込んだ麺)と絡めて食べるなど、未知の世界を作り出す大井シェフは、季節によって演出をガラッと変えるらしい。

 また、3,500円で予約を受け付け始めたというランチでも、イチ押しメニューの一つであるステーキを提供。宮崎の都萬牛(とまんぎゅう)(柔らかいのに脂っこくない黒毛和牛)を1週間から10日間熟成させ、薪で周囲をスモークし、口に入れると独特の「炙り感」が堪能できる。行くしかない!

 食事だけではなく、店内の装飾もサービスにもこだわりを感じずにはいられない。「Courage」は麻薬。なぜなら一度訪れたらやみつきになってしまうから。「あの場所」に相応しい店が誕生した。

東京都港区麻布十番2-7-14 1階
TEL 03(6809)5533
https://courage-tokyo.com

2018年10月号 情報区

加賀料理「赤坂浅田」
日本橋と大手町に
新店舗オープン

1867年金沢市で旅籠「浅田」を創業、その後1971年「赤坂浅田」を開業し、続いて青山、名古屋と、加賀料理の魅力を伝え、名声を博してきた同店が、今年9月、都内に新しく二店舗をオープンした。
9月13日(木)、三井ガーデンホテル日本橋プレミア9階(中央区日本橋3-4-4)にオープンした「日本橋浅田」は、5つの椅子席の個室とカウンター席を備え、外に広がる風景を眺めながらゆったりと料理を楽しめる。本格BAR「松」も併設。ホテルでの開業に伴い、和洋の朝食も提供される。 続いて9月25日(火)、大手町プレイス2階(千代田区大手町2-3-1)に、3部屋の座敷(掘り炬燵)とテーブル個室1部屋を備えた「大手町浅田」が開業。「赤坂浅田」同様、大切な方との会食や接待に最適な、料亭のもてなしと、北陸の旬の食材を用いた加賀料理を堪能できる。
■老四川 飄香 小院
東京都港区六本木6-10-1 ウエストウォーク5F
ランチ:11時~14時半(L.O.)
ディナー:17時~21時(L.O.)

●お問い合わせ・ご予約
日本橋浅田 TEL 03-5542-1700
大手町浅田 TEL 03-6262-1218

和食文化国民会議監修
和食の基礎知識が
1冊でわかる『和食手帖』

『和食手帖』(1,620円)が思文閣出版より上梓された。手軽な新書版サイズの中に、和食[大饗料理/本膳料理/懐石料理/会席料理/日常食]の定義や歴史から、食事マナー、食材の特徴、日常食で用いる道具や調理法、出汁の取り方、盛り付け、日本各地の食まで、コンパクトに説明された充実の内容。イラスト付き、オールカラーで分かりやすく、和食について知りたくなった時に開くと、教養から実践のための知識まで幅広い情報を与えてくれる。ミニ事典として、手元に置いておきたい1冊だ。

●お問い合わせ
思文閣出版
TEL 075-533-6860>

東京銀座資生堂ビル10階
新生「ファロ」
グランドオープン

改装休業していた「ファロ資生堂」が、10月1日(月)、新生「ファロ」として始動。イタリアで20年にわたり第一線で活躍中の能田耕太郎シェフが率いるチームによる、クリエイティブなセンスと技術、日本の食材とを組み合わせた料理を、昼夜共にコースメニューで提供。ランチ(4品~)8,000円、ディナー(10品~)20,000円。税込・サ別。

●お問い合わせ・ご予約
FARO(ファロ)
[定休日]日曜日・祝日・夏季・年末年始
[営業時間]12時~13時半(L.O.)、18時~20時半(L.O.)
TEL 03-3572-3911

湖池屋 ドンタコス
甘じょっぱさが癖になる
ハニーマスタード味

とうもろこしを丸ごとすりつぶし、パリッと焼き揚げた香ばしいトルティアチップス「ドンタコス」に、「ハニーマスタード味」と、コンビニ限定「ハニーマスタード味 80g」(共にオープン価格)が新発売。“もっと多くの女性に食べてもらいたい”と、『女性のおつまみ』をテーマに開発。マイルドな辛みのマスタードに、チキンや野菜の旨みを隠し味に加えた「ハニーマスタード味」は、“甘じょっぱさ”が癖になる、料理のような深い味わい。

●お問い合わせ
湖池屋 お客様センター
TEL 0120-941-751(平日9時~17時)

限定ウイスキー第3弾
「ザ・マッカラン
エディション No.3」発売

サントリースピリッツは、スコットランドのシングルモルトウイスキー「ザ・マッカラン エディション No.3」(700ml/16,200円)を、10月23日(火)から全国で数量限定新発売する。1824年に設立された伝統ある蒸溜所「ザ・マッカラン」が所有する、素材や容量の異なる6種類の樽の原酒をヴァッティングした限定ウイスキーの第3弾。バニラやシナモンを思わせる香り、フルーティな味わい、長く続く余韻が特長となっている。

●お問い合わせ
サントリーお客様センター
TEL 0120-139-310

ハウス食品グループ
毎日の食事で摂取する
乳酸菌L-137

ハウス食品グループは、「なれずし」から発見された乳酸菌L-137を長年にわたり研究。この乳酸菌L-137を加熱処理により、乳酸菌の品質を安定化し、様々な食事や飲み物で摂れるようにした「まもり高める乳酸菌L-137シリーズ」の発売を始めた。その中から、「まもり高める乳酸菌L-137 ドリンク」(ヨーグルト風味)120ml×30本入りを、読者5名にプレゼント。ご希望の方はハガキまたはメールで本誌編集部まで。応募多数の場合は抽選にて当選者に商品を発送。

●ご応募
味の手帖 mail@ajinotecho.co.jp/

銀座 芝濱
松茸と秋の素材が満載
10月のおすすめ料理

全国の産地から吟味した鯛で仕立てた「鯛ごはん」で締める、夜の定番「おまかせコース」(10,000円~)が人気の「千客万来 芝濱」。秋の便りが聞こえてくるこの時季に入荷する恒例の松茸をはじめ、旬の食材がコースに組み込まれる。

昼は「旬の天婦羅コース」(6品・3,000円~:前日までに要予約)や、名物「鯛天茶」が味わえる「鯛づくし膳」(1,800円)他、気軽な集いに「昼懐石」(5,000円~)もぜひ。

●お問い合わせ・ご予約
千客万来 芝濱
TEL 03-6278-0488
http://www.ginza-shibahama.jp/

30人超の執筆者による
日めくりカレンダー
2019年版

日めくりカレンダーの第7弾。365の旬の“美味しい”素材コラムと、宗誠二郎氏による描き下ろしイラスト。例年の執筆陣に、「東京??兆」湯木俊治氏、「バードランド」和田利弘氏、「資生堂パーラー」井上直久総調理長、「新宿・京懐石 柿傳」安田眞一氏ら食のプロを新たに迎え、総勢30数名による充実したコラムとなった。クリスマスやお歳暮、海外へのお土産にも最適。
[本体]文庫本サイズ1穴リング綴
[価格]3,240円(税込・送料別)

●お問い合わせ・お申し込み
味の手帖カレンダー専用サイト
http://www.ajinocalendar.net/

フランス料理の新店(1)

L’Evol(レヴォル)

質の高い食材を
モダンクラシックな手法で表現

 外苑西通りから表参道に抜ける、通称「まい泉通り」に、今年三月に開店。ワインバーとウェイティングを兼ねた地下一階から階下に降りると、四十席のメインダイニングが広がる。白と深いピンク、黒で統一された店内は、ゆったりと席が配置されており、くつろいで過ごすことができる。

 シェフの高木和也さんは、渋谷「キャリエ」(昨年閉店)の評判を高めていた方で、「質の高い食材を、モダンクラシックな手法やソースで表現する」ことを目指し、腕をふるう。

 ディナーコースは、一万円(十皿)と、七千円(七皿)。ある夏の日の一万円のコースをご紹介。

 一皿目は、シェフが前の店から提供してきた「パテ・バーガー」。小さな小さなバンズでパテを挟み込んだバーガーで、練り肉ならではの香りが食欲を刺激する。

 二皿目は、雲丹をのせた「トウモロコシのムース」。トウモロコシの濃厚な甘みが舌に流れ、思わず微笑む。

 三皿目は「車エビとアスパラガスのアンサンブル」。直火で炙って冷水に取った車エビと、薄切りアスパラガスを交互に重ねた一皿で、中心がレアに保たれた車エビの繊細な甘みがいい。添えられるのは、軽く味付けした玉ねぎと茄子のラタトゥイユ。

 四皿目は、野菜の盛り合わせ「エコファームアサノと高農園の野菜~夏の香り~」。力強い野菜の下にはコンソメ、上には枝豆を泡状にしたものがのせられている。ミネラルに富む野菜と、滋味深く綺麗な味わいのコンソメとの出合いが素晴らしい。

 五皿目は「フォアグラのEvolution Ver.4」。白桃、赤桃のピュレ、パンドエピス(パン菓子)のクランブル、セルフィユ添え。低温で加熱されたフォアグラの、ねっとりと均一な艶を感じさせる食感と脂の香りに、桃たちが優美さを加える一皿。

 六皿目「イサキのパイ包み焼き、ソースショロン」。スズキを使ったボキューズのスペシャリテへのオマージュか。イサキと帆立のムースを詰めたパイである。そのパイの焼き具合がいい。焦げる寸前まで焼き込んだ香ばしさが魅力的で、一方、中のイサキは火が通り過ぎることなくしっとりと甘みを膨らませている。その加熱の見極めが、実に見事である。

 七皿目「ラ・フルール・ドゥ・ミモレット」。同店のオーナーソムリエ細野博明氏のスペシャリテである。本来はグラニテが置かれるところだが、口腔内や喉を冷やしすぎる点と、チーズは肉の脂を吸収することから考えついたという。フロマージュブランの上に、薄く削り花びら状にした、十八ヶ月熟成のミモレットをのせ、百花蜂蜜をかける。ミモレットの熟れた深い塩気とフロマージュブランの爽やかな酸味、濃厚な蜂蜜の甘みが共鳴し合う。

 八皿目の肉料理は三つの料理から選択する。その一つ「トゥーレーヌ産鳩のロースト、ソースサルミ」は見事なキュイソンで、口の中に肉汁がしたたり落ちる。そしてガラや内臓を煮詰めたソースサルミが妖艶さを演出する、堂々たるフランス料理である。

 デセールも三品から選択。「ノワゼッティーヌ、フランボワーズアイス」は、ヘーゼルナッツの香り高い焼き菓子に、ヘーゼルナッツを入れたチョコとフランボワーズソースを添える。そして、ミニャルディーズと氷温熟成珈琲で宴の幕が下りる。

 ランチコースは、四千五百円(五皿)と、七千五百円(七皿)。昼夜とも税・サ別途。
 
東京都渋谷区神宮前3-6-7 DEAR神宮前地下1階 
電話=03(6875)0357
営業時間=11時半~13時半(LO)、18時~21時半(LO) ※日曜日はランチのみ営業
定休日=月曜日

Restaurant Umi

生命の誕生の源である「海」に
感謝を込めた料理

 閑静な住宅街に、六月にオープンした一軒家レストラン。シェフは、パリの一つ星レストラン「Sola」でスーシェフとして活躍された、藤木千夏さん。

 福岡県の有明海を見て育った彼女の「海」への思い、生み出すことの「生み」、そして「Sola」へのオマージュを込めて「Umi」と店名をつけたという。

 ディナーコースは、八千五百円(七皿)と一万二千円(十一皿)。ある夏の日の一万二千円のコースは以下の通り。

 一皿目は、体を整え、喉を開き、また「食事の支度が揃っていますよ」ということを指し示す、日本古来の粥からスタートする。淡い「茶粥」は、喉を清めながら心を温め、ごぼうと白瓜、蕪のピクルスが食欲をゆっくりと開かせ、美しい滋味が宿ったコンソメ(牛、鶏、焼いた長崎のトビウオ、野菜類、しいたけ)が体を整える。

「長崎産アジのマリネと茄子のマリネ、茄子を炭化させたソース」。茄子のほのかな甘みと、品を感じさせるアジの脂の旨味を純粋に合わせて、他の要素を削った潔さがいい。雑味のない澄んだ味が味覚を開く。

「白イカのグリル、エンペラとゲソ、ズッキーニのソース、松の実などによるピストソース、シトロンキャビア」。白と緑の皿が美しい。ナッツの甘い香りとイカの甘い香りが呼応し合い、胸がときめく。

 スペイン・バスク地方の料理「ピミエント・レジェノ」(ピーマンのブランダード詰め)のアレンジ。宮崎県産の甘みの強い赤ピーマンにブランダード(鰯、タイム、じゃがいもと牛乳を合わせたもの)を詰め、パン粉とパプリカ粉をつけて焼き、赤ピーマンソースを添えた一皿。ほのぼのとした郷土料理の美味しさがあって、どこか懐かしいような気分にさせられる料理である。

 魚料理は「みやび鯛のパイ包み焼き、グレープフルーツ入りブールブランソース」。パイには、根セロリとタプナード(オリーブのペースト)、魚のムース、微量の柚子胡椒が入れられ、みやび鯛(天草のブランド鯛)の気品ある甘みを優美に持ち上げている。またブールブランの酸味の利かせ方が柔らかで、魚の旨味に対して優しい。

 肉料理は「シャラン産窒息鴨のロティ、泥つき人参とオレンジジュースと人参のピュレ、人参の花添え」。鴨のキュイソンに色気があり、見事。土の温かみを伝える人参の濃い甘みにため息が出る。

 そして「山梨県産サンタローザ(プラム)、レモンタルト、りんごのクラフティ」という、楽しい組み合わせのデセールで終了。

 ランチは土曜日のみで、六千円(七皿)のコース一種。昼夜とも税・サ別途。

東京都渋谷区恵比寿4-19-7 
電話=03(6456)4306
営業時間=12時~13時半(LO)、18時~21時(LO)※ランチは土曜日のみ
定休日=月曜日・日曜日

伊藤 公一

伊藤病院院長

備長炭ステーキ炉 Sakai
名古屋で出逢った素晴らしい肉料理

 本拠地である東京から分院のある名古屋と札幌には頻繁に出向き、定宿と仕事場と馴染みの盛り場を往来している。

 名古屋に新天地を求めたのは十五年前。その頃は愛知万博の開催時期にも重なり、名古屋観光客は激増。海老フライや味噌かつ、あんかけスパゲッティ、名古屋コーチンを使った焼き鳥、さらには喫茶店のモーニングサービスである小倉トーストなど、地元の名物料理が「なごやめし」と命名され、今でもその人気は続いている。

 特に我々が診療の場を求めた中区大須は、若宮大通、伏見通、大須通、南大津通の四つの主通りに囲まれた大きな区域内に千二百もの様々な店舗が連なる「大須商店街」が、大須観音の参道として一年中多くの人で賑わっている。

 今回ご紹介する「備長炭ステーキ炉 Sakai」は、その商店街隙間の静かな路地に位置する、まさに隠れ家である。

 漆黒の大きな一軒家で、控えめな門扉をくぐり、センスの良い庭を横に見ながら内玄関の扉を開けると、オーナーシェフ坂井保明氏と大勢のスタッフが、見晴らしの効いたカウンター内で一生懸命にフライパンを振り、料理の盛り付けに追われる姿が目に飛び込んでくる。

 およそ十年前、名古屋の恩人である丸茂病院(現・マルモブレストクリニック)の竹内院長親子が、肉食の小生を案内してくださったこの店は、既に大須の素晴らしい肉料理店として有名であったが、単なるステーキハウスには留まっていない。

 看板の備長炭を使った和牛の網焼きのみならず、豚料理、魚介類の焼き物から、すき焼き、締めのトリュフご飯、イタリアンスパゲッティ(名古屋名物)など、極めて豊富なアラカルトメニューを、ワインと共に楽しむことができる。

 このように出張先で素晴らしい料理の味を知り、間もなくしたところで「さかい」は、東京・麻布十番に、全く同じメニューを持って、またまた素敵な隠れ家出店を果たした。

 そこで、お節料理まで頂く仲となった現在、私にとっては名古屋では地元名店の味を、東京でも名古屋の味を嗜めるようになったわけだ。

 「人生は縁と宴」である。どこにいても美味しいものを食し続けたいものだ。
 
備長炭ステーキ炉 Sakai 名古屋本店
愛知県名古屋市中区大須2-8-23
TEL 052(222)7505

備長炭ステーキ炉 Sakai 麻布十番店
東京都港区元麻布3-11-2 カドル麻布十番地下1階
TEL 03(3402)0429