最新・東京の中国料理店

中國菜 四川 雲蓉(ユンロン)

高い実力を持つ若き料理人による
四川を中心とした料理

 原宿『龍の子』、麻布十番『中國菜 老四川 飄香(ピャオシャン)』、本場中国で修業した若き料理人、北村和人さんが昨年12月に開店。四川を中心とした料理がいただける。

 ある日の8000円のコースから一部をご紹介。まずは前菜6種から始まった。茄子とピータン、万願寺唐辛子の黒酢ソース「擂椒白茄子皮蛋」、シマエビのレモングラスと香菜、酸辣ソース「酸辣生態蝦」、甘辛い品の良い味付けが光る「涼拌空心菜」など。前菜だけで極めて高い実力が窺える。

 続いては、滋味深く、澄んだ味わいのスッポンと烏骨鶏のスープ「霸王別■」。

「宮保夏天蠣」は、宮保(ゴンバオ)という四川風のソースで、揚げた岩牡蠣(三陸赤崎産)を絡めたもの。牡蠣のミルキーなエキスと甘酸っぱいソースとが抱き合う悦楽がある。

「乾焼刺?參」。キックの効いた本場四川のチリソースの中で、高価であろう小さく棘が立ったナマコが輝いている。

「?椒蒸東星斑」。身が盛り上がった見事な赤ハタ(長崎県産神経〆)に、納豆のような香りがする黄豆?、泡菜(パオツァイ)(漬物)の酸味、質が高い山椒の抜けがいい痺れをもたらして、辛味が渾然一体となった味わいに酔う。

「回鍋甜燒白」。豚バラを6時間蒸して切ってから、餡饅に入れる餡ともち米を一緒に蒸しあげて煎り焼きしたもの。脂、餡、もち米、3者の甘みが溶け合った優しい味。

 〆は、自家製麺による、羌族■肉(自家製豚肉燻製)と空芯菜の泡菜の「酸辣湯麺」。新生姜の泡菜の塩分と、少量の中国の醤油、保寧醋(パオニンツゥ) (四川の黒酢)、自家製辣油、新ニンニクで味付けしてあり、止まらないおいしさである。

 最後のデザートは「眉山紅糖冰粉」。ゼリーに似た冰粉(ビンフェン)と、桃の木の樹液などを合わせた、四川風あんみつ。

●中國菜 四川 雲蓉 
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-1
電話=0422(27)5988
営業時間=11時半~14時(L.O.)、18時~21時半(L.O.)
定休日=月曜日・火曜日(祝日の場合は翌日定休) 

サエキ飯店

 神宮前『楽記』の料理長だった佐伯悠太郎さんが独立して4月に開いた店。香港の一流店で食べられるような力ある心打たれる料理に、早くも予約至難となっている。

 ある日の8000円のコースをご紹介。

「伊達鶏の紹興酒漬け」。最初の一口から嬉しくなってくる、綺麗な味である。良い塩梅を知っている料理人の味である。

「豚耳煮こごりと鶏レバーのムース」。中国にはない酒のアテ。煮こごりをムースにつけると、無性に酒が恋しくなる。

「3種の揚げ物」。南乳に3日間漬けたズッキーニ、エシャロットとパクチーで煮つけた豚肉、出汁で炊いた大根餅の揚げ物。いずれも香りと甘みの複雑さがあって、これまた酒が進む味である。

「ツブ貝の煮物」。広東米酒とクミン、豆板醤と二番出汁で炊いた料理。様々な香りが渦巻く中、ツブ貝がそっと乳白色の甘みを覗かせる。その兼ね合いがたまらない。

「うずら肉のスープ」。素晴らしい。一口飲んだ瞬間に体の力が抜けていく。うずらの滋味に溢れ、上湯、党参、蓮の実、竜眼肉、クコの実、杏仁に、ココナッツジュース、生姜の味や香りが溶け込んで、雑味なく、豊かな旨味に溢れている。

「ハタの唐揚げ醤油煮」。凛々しいハタの肉が爆ぜ、コラーゲンの甘みが舌を包む。

「冬瓜と春雨の上湯煮」。美しい味である。淡味に仕上げ、品格ある上湯の滋味が冬瓜と春雨をエレガントに輝かせている。

「乳鳩醤油煮」。鳩の鉄分と煮汁の深く丸い旨味が溶け合って、唸るような、鼻息が荒くなるようなうまさである。

 〆は、ご飯の香ばしさとハムユイの香りが混ざり合った「ハムユイ炒飯」と「上湯麺」。

 デザートは「紹興酒キャラメルパルフェ」 と「マンゴーパルフェ」。

●サエキ飯店 
東京都目黒区三田2-10-30 荒井ビル1階 
電話=03(6303)4735
営業時間=18時~24時
定休日=不定休