伊藤 公一

伊藤病院院長

備長炭ステーキ炉 Sakai
名古屋で出逢った素晴らしい肉料理

 本拠地である東京から分院のある名古屋と札幌には頻繁に出向き、定宿と仕事場と馴染みの盛り場を往来している。

 名古屋に新天地を求めたのは十五年前。その頃は愛知万博の開催時期にも重なり、名古屋観光客は激増。海老フライや味噌かつ、あんかけスパゲッティ、名古屋コーチンを使った焼き鳥、さらには喫茶店のモーニングサービスである小倉トーストなど、地元の名物料理が「なごやめし」と命名され、今でもその人気は続いている。

 特に我々が診療の場を求めた中区大須は、若宮大通、伏見通、大須通、南大津通の四つの主通りに囲まれた大きな区域内に千二百もの様々な店舗が連なる「大須商店街」が、大須観音の参道として一年中多くの人で賑わっている。

 今回ご紹介する「備長炭ステーキ炉 Sakai」は、その商店街隙間の静かな路地に位置する、まさに隠れ家である。

 漆黒の大きな一軒家で、控えめな門扉をくぐり、センスの良い庭を横に見ながら内玄関の扉を開けると、オーナーシェフ坂井保明氏と大勢のスタッフが、見晴らしの効いたカウンター内で一生懸命にフライパンを振り、料理の盛り付けに追われる姿が目に飛び込んでくる。

 およそ十年前、名古屋の恩人である丸茂病院(現・マルモブレストクリニック)の竹内院長親子が、肉食の小生を案内してくださったこの店は、既に大須の素晴らしい肉料理店として有名であったが、単なるステーキハウスには留まっていない。

 看板の備長炭を使った和牛の網焼きのみならず、豚料理、魚介類の焼き物から、すき焼き、締めのトリュフご飯、イタリアンスパゲッティ(名古屋名物)など、極めて豊富なアラカルトメニューを、ワインと共に楽しむことができる。

 このように出張先で素晴らしい料理の味を知り、間もなくしたところで「さかい」は、東京・麻布十番に、全く同じメニューを持って、またまた素敵な隠れ家出店を果たした。

 そこで、お節料理まで頂く仲となった現在、私にとっては名古屋では地元名店の味を、東京でも名古屋の味を嗜めるようになったわけだ。

 「人生は縁と宴」である。どこにいても美味しいものを食し続けたいものだ。
 
備長炭ステーキ炉 Sakai 名古屋本店
愛知県名古屋市中区大須2-8-23
TEL 052(222)7505

備長炭ステーキ炉 Sakai 麻布十番店
東京都港区元麻布3-11-2 カドル麻布十番地下1階
TEL 03(3402)0429